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ほぼ5分で読める勝共理論 36
歴史はどのように発展してきたのか

編集部編

唯物史観は間違い
 今回は、唯物史観の批判と代案の続きです。
 前回は、「原始共産制という時代などなかった」「歴史の発展は支配者への反乱によって起きたのではない」というお話をしました。

 唯物史観では、資本主義が十分に発達すると、自然と労働者が立ち上がって、そして革命を起こすようになるのだ、といいます。
 それが自然界の法則であって、革命は必ず起きるのだ、というのです。

 ロシアがソ連になった、中華民国が中華人民共和国になった、それぞれ革命が起きて共産主義の国になったのは歴史の法則のとおりなのだ、というのです。

 この理論は間違っています。
 まず、資本主義の国が十分に発達して社会主義の国になったことは、今まで一度もありません。

 例えば、革命が起きたロシアや中国は、たくさんの工場ができて、資本主義が十分に発達した国ではありませんでした。
 まだ農業を中心とする国、つまり封建制社会の国でした。封建制社会の国で、無理やり起こした革命だったということです。

 もし資本主義が発達して、その後に必ず社会主義の国になるという法則があるのであれば、まず革命が起きるのは、産業革命が起きたイギリスのはずではないでしょうか。
 現代の国際社会でいえば、経済大国となった米国や日本で革命が起きるべきではないのでしょうか。

 でも米国や日本では革命は起きませんでした。これからも起きないでしょう。
 実際には、資本主義の国の中で、革命が起きて社会主義になった国は一つもありません。これでは、唯物史観が歴史の法則である、とは言えません。

 そして次に、共産主義国家が自由の国である、というのはただの空想です。
 資本家がいなくなって、国家がなくなれば、なぜ自由になるのでしょうか。その理由は一切説明されていません。

 実際は、ソ連や中国、そして北朝鮮では、共産主義革命でたくさんの人が犠牲になりました。そして人々は自由を奪われました。それが現実です。

階級闘争で歴史が発展したのではない
 では、歴史はどのように発展してきたのでしょうか。
 確かに、人類歴史にはたくさんの闘争がありました。でも、「階級闘争」によって社会が発展してきたのではありません。

 例えば、近代のヨーロッパでは、人々は不当な支配の中で、自由を求めて立ち上がりました。そして革命を起こしました。

 その目的は、正しい統治体制や社会秩序を実現するためでした。
 支配者階級を倒すために、そして資本家のいない社会を実現するために立ち上がったのではありません。

 心の思いにまで踏み込んで言うと、支配者を倒す、という恨みや復讐心で立ち上がったのではなく、人間らしく自由に生きたい、という本心の自由によって立ち上がったということです。
 これは、外側は似ていますが、中身は全く違います。

 今も日本社会では、国家は悪だ、権力は悪だ、政府は悪だ、という人たちがいます。マスコミや野党の国会議員の中にもいます。ひたすら批判だけをしています。唯物史観の影響をかなり受けているのです。

 もし政府が権力を悪用して、人々を不当に支配すれば確かに悪です。
 でも権力そのものは悪ではありません。政府そのものも悪ではありません。わざと敵をつくって批判をして、それで歴史が発展するのではありません。

 人々が本心に基づいて、より良い社会を目指してこそ歴史は発展します。
 そして人々が本心の自由に従って生きることができる社会になれば、それが理想的な社会であると言っていいのではないでしょうか。

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