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天一国主人に育む「神様コーチング」26
「喜び」に焦点を当てて情的衝動を引き出す相談

ナビゲーター:阿部 美樹

神様と人間の核心は「心情」
 統一思想の「原相論」の中で「心情」について、『新版 統一思想要綱』(5254ページ)では、次のように説明されています。

・心情は神の性相の最も核心となる部分であって、「愛を通じて喜ぼうとする情的な衝動」である。

・人間は誰でも生まれながらにして喜びを追求する。喜ぼうとしない人は一人もいないであろう。人間は誰でも幸福を求めているが、それがまさにその証拠である。そのように人間はいつも、喜びを得ようとする衝動、喜びたいという衝動をもって生きている。

・それでは真の喜び、永遠の喜びはいかにして得られるであろうか、それは愛(真の愛)の生活を通じてのみ得られるのである。愛の生活とは、他人のために生きる愛他的な奉仕生活、すなわち他人に温情を施して喜ばせようとする生活をいう。

・神は心情すなわち愛を通じて喜ぼうとする情的な衝動をもっているが、そのような神の衝動は人間の衝動とは比較にならないほど抑えがたいものであった。

・神において、喜ぼうとする情的な衝動は、愛そうとする衝動によって支えられている。真の喜びは真の愛を通じなければ得られないからである。したがって、愛そうとする衝動は喜ぼうとする衝動よりも強いのである。愛の衝動は愛さずにはいられない欲望を意味する。

 このように、幸せとは「心情」(愛を通して喜ぼうとする情的衝動)と深い関わりがあります。
 神様の性相の核心が「心情」であるならば、人間の創造本性の核心も「心情」であるといえるでしょう。

人生の目的は「喜ぶこと」「喜ばせること」
 また、『原理講論』の中には、人間が創造された目的、存在する目的について記されています。その部分を紹介いたします。

 神が被造世界を創造なさった目的は、人間をはじめ、すべての被造物が、神を中心として四位基台を完成し、三大祝福のみ言を成就して、天国をつくることにより、善の目的が完成されたのを見て、喜び、楽しまれるところにあったのである。
 それゆえに、人間を中心とする被造世界が存在する目的は、神を喜ばせることであった。(『原理講論』6465ページ)

 このように、喜ぶことを目的として創造され、喜ばせる目的で存在しているといいます。

 このようなみ言に基づいて考えると、相談の目的も「喜びを高める」ことが大切なポイントであることが分かります。

 実際の生活を振り返っても、幸せな気持ちを感じている時は喜びが非常に高く、悩みや苦しみ、絶望を感じている時は喜びが極端にない状態です。喜びが高まるならば、目の前の状況が困難でも「できる!」「成せる!」という生きる意欲、一歩踏み出す勇気を得ることができます。

 相談で大切なことは問題を解決してあげることではなく、相手の心の中に解決できるという意欲と勇気を与えることでしょう。

 では、相談の中でどのようにしたら喜びを引き出すことができるのでしょうか。
 その方法は二つあります。

 第一の方法は「喜びの実際体験」を引き出すことです。
 過去を振り返り「楽しかったこと」「うれしかったこと」を思い出すことです。

 思い出して語っているうちに、その時の情感が再現されて、今味わっているように喜びが高まります。

 信仰者にとって最も大きな喜びを得ることができるのが、成長コーチングの解説でも触れたように「感動的な神体験」もしくは「真の父母様との心情的な出会い」です。

 その時のエピソードを聞いてあげるだけでも心情が高まります。
 もし、神体験など感じたことがない人は、信仰とは関係なくても感動体験であれば、喜びを再現することができます。

 さらに、喜びを引き出す第二の方法は、「喜びのイメージ体験」を引き出すことです。
 過去に体験したことだけでなく、未来に体験するイメージを描くだけでも喜びが高まります。

 具体的には、質問を通して「未来に願いがかなった時の喜びの心情や情景」を想像してもらいます。
 視覚を使って「見える光景は?」、聴覚を使って「聞こえる声や音は?」、身体感覚を使って「体で感じることは? どんな気持ちか?」などを聞いてイメージを深めます。
 このようにすれば、実際の体験と同じような効果を得ることができます。

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