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facts_3分で社会を読み解く 22
米国務省の「国際宗教自由報告書」が家庭連合への解散請求に注目

ナビゲーター:魚谷 俊輔

 米国の国務省が信教の自由に関する世界各国の状況をまとめた「国際宗教自由報告書2023年度版」が6月26日に公表された。

 同報告書の日本に関する部分では、家庭連合を巡る記述が中心的な位置を占め、米政府がこの問題を日本における信教の自由の重大問題として認識していることが明らかになった。

 報告書の全体的な書きぶりは「両論併記」といえるもので、解散命令請求に関しては政府の主張をそのまま記述する一方で、家庭連合側の主張も取り上げ、さらに家庭連合の信者たちの意見も掲載されている。

 同盟国である日本に配慮してか、日本政府をあからさまに非難する表現がないのは残念だが、家庭連合の現役信者の声を完全にシャットアウトしている日本の政府やマスコミに比べれば、はるかに公正な記述であるといえる。

 以下、同報告書の記述の中で積極的に評価できる部分を列挙してみる。

①文部科学省が示した解散の根拠に対して、家庭連合側が「法に基づいていない」と反論したことを記述した。

②家庭連合の弁護士が、文科省が解散の要件としてどの法令に違反したのかを特定しなかったことを批判し、法廷で闘う意向を示したことを記述した。

③田中富広会長が2023年11月7日の会見で、信教の自由と法の支配の観点から政府の解散命令請求と闘う意向を表明したことを紹介した。

④家庭連合の信徒たちが「偏見に満ちた」「敵対的な」報道と、全国弁連の圧力によって信仰を公にできなくなったこと、市当局から関係を断絶され、寄付や行事への参加を拒絶されたりしたことなどを紹介した。

⑤解散命令が認められれば、教団は「悪」と認められたと社会が捉える可能性があるという信徒たちの懸念を伝えた。

2023年73日に国際的な人権活動家たちが「日本はなぜ統一教会・家庭連合に対して信教の自由を保障すべきなのか:日本政府に対する意見書」を提出したことを紹介した。
 ちなみにこの意見書は、ウイリー・フォートレ、ヤン・フィゲル、マッシモ・イントロヴィニエ、アーロン・ローズの4氏が、岸田文雄首相、林芳正外相(当時)、永岡桂子文科相(当時)に宛てて書いたものである。

⑦中山達樹弁護士が2023年9月に出版した小冊子『家庭連合に、解散請求の要件なし』の中で展開している、岸田政権が法理ではなく政治的な意図に基づいて宗教法人を解散させようとしているという主張を紹介した。

 日本政府は米国務省の懸念に対し、真摯(しんし)に向き合ってもらいたいものである。

【関連情報
米国務省の国際宗教自由報告書の日本に関する記述(英文)

世界日報(2024628日付)の報道記事

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