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心情開拓
心霊を育てる生活原則(162)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』200549日第3版発行〉より)

13 神を所有する者
(1979年111日 韓国・旧本部教会)

▲李耀翰先生

三大苦痛を勝利してこそ

 原理的にいえば、信仰基台、実体基台を通じて、神の心情を相続していくのですが、アブラハムの場合、彼には神様御自身も感動せざるを得ない三大苦痛の勝利があったのです。

 三大苦痛の第一は、自分の故郷を捨てて、目的もなく出掛けなければならない。

 第二は、自分の愛する妻を怨讐(おんしゅう)であるエジプトの王にささげなければならない。

 第三は、年を取ってから得た自分の子イサクを献祭しなければならない、ということです。

 この三つは、非常に苦痛でした。自分の愛する妻を、怨讐である異邦の王に渡さなければならない苦痛。それよりはいっそ、自分が死んでしまうことのほうがたやすいのです。それよりももっと死ぬほどつらいのは、年を取ってから得た一人子イサクを献祭しなくてはならないという苦痛です。しかしながらアブラハムは、これらの苦痛を味わいながらも、神の摂理のために忍んで乗り越えたのです。そこに神様も感動せざるを得なかったのです。そのようにして、神は完全にアブラハムに所有されました。なぜならば、神様の苦痛と人間の苦痛とが接触したからです。

 神様にも苦痛があったのです。神様の苦痛は、エバを失った時に始まりました。エバが天使長との関係によって堕落してしまい、エバを死亡圏に渡さざるを得なかった苦痛。そして次には、一人息子であるアダムをも、また死亡圏に渡さなくてはならなくなり、それによって、神が創造した被造世界すべてが死亡圏へ入ってしまった、この三大苦痛をもった神様でした。その苦痛をもちながらも、死んでしまったアダムとエバを救わなければならない、救うために復帰摂理を遂行していかなければならなかった神様でした。もし神様が、その復帰摂理目的を捨ててしまったならば、その苦痛も解決できたことでしょう。しかし、捨てられない。捨てられないから、苦痛も解決することができない。そういう神様だったのです。

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 次回は、「摂理の中心人物の歩み」をお届けします。


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