2024.06.19 17:00
天一国主人に育む「神様コーチング」24
人生の質を高める「質問」
ナビゲーター:阿部 美樹
「私のための質問」と「相手のための質問」
コーチングとは、「質問型コミュニケーション」といわれるように、質問が大切な役割を果たします。
質問とは「質を問う」と書くように、人生の質を高めるきっかけを与えるツールになります。
日頃の生活の中でも、質問をすることが多々あることでしょう。
それは、「今日、何時に帰りますか?」「ご飯食べますか?」など、自分が知りたい質問、自分が知らないと困る「自分のための質問」です。
それだけではなく、「これからどうなっていきたいですか?」「そのためには何が必要ですか?」など、相手に考えさせる、気付かせるための質問があります。
相談対応のためには、このような「相手のための質問」が有効です。
質問の効果として、次のような原則があります。
第一は、「焦点化の原則」です。
双眼鏡で山を眺める時、頂上に焦点を合わせると山の全体は見えなくなります。反対に山の全体を眺めると頂上はよく見えません。
「意識」も同じように、同時に二つ以上のことを捉えることは苦手です。
意識の焦点を自在に動かす強力なツールが「質問」です。
例えば、「私には絶対できません」と諦めている人に対して、「もしできるとしたら、どのようしたらできると思いますか?」という質問をすると、無条件に「できるためにはどうしたらよいか?」ということだけに意識が向きます。
まさに、質問は「一つの焦点に動かす」効果があります。
第二は、「空白の原則」です。
質問には、もう一つ「脳に空白(分からないこと)をつくる」という働きがあります。
脳は「分からない状態(混乱)」を嫌うため、答えが出るまで考え続けます。
質問は、意識(顕在意識)だけでなく、無意識(潜在意識)まで検索して答えを探すので、意外な気付きに導かれたり、深い考えや感情の世界まで引き出されたりします。
質問に対して「そう言われると〇〇ということに気が付きました」「それは〇〇が必要でしょうね」という言葉になるなど、意識や感情が広がったり、深まったりします。
質問を通して、脳は自動検索システムのように働き、寝ている間でも「空白」を埋めるために、答えが出るまで動き続けるといわれます。
質問は「主人意識」と「責任心情」を高める
このような質問を通して次のような影響が考えられます。
第一の影響は、質問を通して「関心が高まる」ことです。
「結婚についてどのように考えていますか?」と質問されるならば、結婚に関心がなかった人でも関心を向けるようになります。
第二の影響は、「考える力が高まる」ことです。
「それを実現するためには何が必要でしょうか?」と質問されると、深く考えていない人も、実現するための創意工夫を考えるなど、考えが深まります。
第三の影響は、「気付きを与える」ことです。
「それを担当するメリットは何ですか?」という質問を受けると、デメリットが気になって心がネガティブになっている人であっても、メリットを考えるようになり、ポジティブな気付きを得ることもあります。
第四の影響は、「当事者意識が高まる」ことです。
質問に対して考えて、自分でアイデアや答えを出した場合、指示されたり、命令されたりしたことよりも、当事者意識が高くなります。
そうすれば、自覚も責任意識も高くなることは当然でしょう。
このように、質問は相手の「主人意識」を高め、「責任心情」を高めることができるのです。
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