世界はどこに向かうのか 303
沖縄県議会議員選挙、自公など「野党」が大勝
2024.06.18 17:00
世界はどこに向かうのか
～情報分析者の視点～
沖縄県議会議員選挙、自公など「野党」が大勝
渡邊 芳雄（国際平和研究所所長）
今回は、6月10日から16日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
史上初、米大統領の次男に有罪評決（6月11日）。日本の男女平等、146カ国中118位に（12日）。ロシア主導の軍事同盟、アルメニアが脱退明言（12日）。G7、中国にロシアへの物資移転中止を要求（14日）。中国首相が7年ぶりにオーストラリア訪問（15日～）。北朝鮮が軍事境界線に新たな壁を建設、韓国メディアが報じる（15日）。沖縄県議選で「野党」（自公、維新など）が大勝（16日）、などです。
沖縄県議会議員選挙（定数48議席）の投開票が6月16日に行われました。
13選挙区に75人が出馬し、そのうち知事派34人、自公・維新の会などの反知事派が33人、中立8人で選挙戦が行われたのです。
告示前の議席数は知事派24人、反知事派22人、中立2人。議決に参加しない議長が反知事派だったため、事実上、知事派がなんとか過半数を確保していたのです。まさに「拮抗（きっこう）」状態でした。
選挙戦では、知事支持派の候補者は、自民党派閥のパーティー券収入不記載事件を批判し、さらに南西地域の防衛体制強化を危惧する主張を展開しました。
これまで米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡って法廷闘争を続けてきたのが「知事派」でした。
結果は、驚くべきものでした。
圧倒的に不利と思われていた自公、維新などの反知事派が28議席。過半数を獲得したのです。
知事派・与党の獲得議席は20議席でした。共産党は3議席減で4議席、立憲民主党は2議席減らして2議席、社民党が選挙前と同じで2議席、地域政党である沖縄大衆党は2議席増やして3議席、総合して4議席の減となっています。
反知事派・野党の獲得議席は28議席。内訳は、自民党が2議席増で20議席、公明党は2議席増で4議席、維新は2議席獲得で現状維持、その他です。
辺野古移設問題に絞れば、反対が共産党、立憲民主党、社民党、公明党などの勢力で24議席、容認する勢力は今回の選挙を経て24議席となり同数となりました。
最近行われた衆院補欠選挙や首長選挙などで自公はことごとく敗北しました。ところが沖縄では勝ったのです。
この結果について自民党選対本部は、「国政とは異なる沖縄には沖縄の風がある」と述べています。
的確な表現といえるでしょう。ともかく、これで沖縄問題が少しでも前進することができればと思います。
選挙戦において自民党は街頭に姿を見せず、党派色を薄めた組織戦を展開しました。
連日の大雨の影響もあり、選挙戦は「驚くほど盛り上がっていない」（地元の声）状況だったのです。
県民の県政に対する不満も大きくなっていました。年初、降雨が少なく県内ダム貯水率が低く、県民に節水を呼びかけていた時、県企業局が管理する石川浄水場から西原浄水場へ水を流す導水管のうち、うるま市昆布の一部で漏水事故が起きたのです。その補修作業が遅れたことが批判されました。
沖縄の厳しい経済事情も反映しました。インフラ整備や経済振興は進まず、1人当たりの県民所得は全国最下位で、子供の貧困の問題も依然深刻なのです。
こんな中で、「辺野古移設反対」のワンイシュー（単一論点）で国との対立を強める玉城デニー県政に否定的な県民の声は少なくないのです。
辺野古移設工事は今、国が代執行する形で1月に地盤改良工事に着手しています。
今後の玉城県政の運営は厳しくなるでしょう。約2年後の知事選にも大きく影響しそうです。
★おすすめ関連動画★
国際勝共連合 街頭演説「このままでは日本は滅びる」2023年11月5日 新潟市万代
国際勝共連合 街頭演説「テロは絶対に許せない」2023年11月5日 新潟市東大通り
ザ・インタビュー 第29回
【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く（その1）「『勝共』～神を否定する共産主義に打ち勝つために】
ザ・インタビュー 第30回
【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く（その2）「神と共に生きる共同体理想の実現を目指して」】
ザ・インタビュー 第31回
【渡邊芳雄・国際勝共連合常任顧問に聞く（その3）「神は私と共に生きて今ここにいらっしゃる」】
---
U-ONE TVの動画を見るにはU-ONE TVアプリが必要です！
無料ですので、ぜひダウンロードしてご活用ください。
ダウンロードはコチラから
