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シリーズ・「宗教」を読み解く 318
修道院の祈り⑯
教皇イノケンティウス3世とフランシスコ

ナビゲーター:石丸 志信

 フランシスコの運動は、多くの困難に直面するものの、次第に人々の心を動かしていった。

 フランシスコに従う仲間が11人になった時、自分たちが始めた新しい生活様式を正規の修道会として認可してもらうためローマ教皇に謁見(えっけん)することになった。

 フランシスコは、カトリック教会の腐敗堕落を糾弾したわけでもなく、教皇や枢機卿、司教たちに悔い改めを迫ったわけでもなかった。
 実際、アッシジからやってきたみすぼらしい青年たちは嘲笑と軽蔑で迎えられた。

 教皇イノケンティウス3世も、フランシスコの求める清貧が厳し過ぎるのをいさめるが、若者たちの真摯(しんし)な態度に次第に心を動かされていく。

教皇イノケンティウス3(ウィキペディアより)

 こんな伝説が残されている。
 教皇イノケンティウス3世はある日夢を見た。

 ローマのカテドラル(司教座)・ラテラノ大聖堂が崩れかかっている。すると、みすぼらしい修道士が現れて、大聖堂を肩で懸命に支えていた。

 教皇は、夢に現れた修道士こそが、アッシジから自らの下に訪ねてきたフランシスコであったとして彼らの願いを聞き入れたという。

▲「肩でラテラノ大聖堂を支えるフランシスコ」(画ジョット、1305年頃)

 真偽のほどはともかく、この二人の会見は「世界史的な出会い」だと歴史家は評する。

 カトリック教会の改革刷新のうねりは既に前世紀に起こっていた。
 福音に忠実に、清貧に生きようという新しい信徒運動が拡大していくが、それまでは異端と見なされてきた。
 一方、教皇イノケンティウス3世自身は強力な指導力を発揮して、自ら教会改革を進めようとしていた。

 フランシスコとの会見は、この教皇にとっても暁光(ぎょうこう)だったのだろう。
 純粋な青年の中に宿る信仰心、イエス・キリストに対するパッション、そのほとばしる霊的エネルギーを受け止め、カトリック教会に新しい生命の息吹を吹き入れることになる。



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