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シリーズ・「宗教」を読み解く 317
修道院の祈り⑮
アッシジの聖フランシスコ

ナビゲーター:石丸 志信

 修道院の祈りは西欧キリスト教の歴史を導く原動力であったと思える。その蓄積された修道霊性が、時代時代に応じて刷新をもたらし、文化を変革していった。
 また修道院で何世紀にもわたって積まれた祈りの精誠が、キリスト教の復興をもたらす主要な人物を生み出していった。

 托鉢(たくはつ)修道会は修道制の刷新の一例であり、グスマンの聖ドミニクスやアッシジの聖フランシスコらがこの運動をけん引する人物として登場する。

アッシジの聖フランシスコ(ウィキペディアより)

 フランシスコは、1181年(1182年とも)、中部イタリアの町アッシジに織物商人の息子として生まれた。
 青年期に騎士への憧れを抱き、功名心から2度ほど戦地に赴く。

 2度目の従軍の旅の途上不思議な夢を見、僕(しもべ)に仕えるよりも主人に仕えよという、内なる声に促されて戦いを放棄し故郷に戻る。
 今までの生活にむなしさを覚える中、二つの出来事を経験する。

 ある日、町でハンセン病患者に遭遇した時、彼の姿に嫌悪と恐怖を感じた。
 しかし思い直したフランシスコは、病人に駆け寄り、手を握り締めて接吻(せっぷん)した。その後、フランシスコは進んでハンセン病患者を見舞い、世話をするようになった。

 またある日、アッシジの城外にある、崩れかけた小さな教会サン・ダミアノに入って祈っていると、祭壇に架けられたビザンツ様式の十字架から語りかける声が聞こえてきた。

 「私の家は崩れかかっているではないか。建て直してはくれまいか」

 この時イエスの言葉に文字どおりに従う決心をしたフランシスコは、レンガを一つ一つ積み重ねながらサン・ダミアノ教会の修復に取りかかった。

▲サン・ダミアノ教会の十字架像

 さらに1208224日、ミサの中で読まれた福音書の言葉が、フランシスコの心に神の啓示のごとく響いた。

 「行って、『天国が近づいた』と宣(の)べ伝えよ。病人をいやし、死人をよみがえらせ、らい病人をきよめ、悪霊を追い出せ。ただで受けたのだから、ただで与えるがよい。財布の中に金、銀または銭を入れて行くな。旅行のための袋も、二枚の下着も、くつも、つえも持って行くな。働き人がその食物を得るのは当然である」(マタイ107-10

 フランシスコはその時から、清貧に徹し、町々を巡回して福音を述べ伝える説教者としての生き方を始めることになった。



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