2024.02.20 12:00
世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
韓国、北の「兄弟国」キューバと国交正常化
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、2月12日から18日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
ロシア軍、極超音速ミサイル初使用公表(2月12日)。韓国、キューバと国交樹立を発表(14日)。北朝鮮、日本海へ巡航ミサイル発射(14日)。岸田氏訪朝の可能性言及、金与正(キム・ヨジョン)氏(15日)。ロシアの活動家ナワリヌイ氏が死亡(16日)。「日本に好感」、韓国で過去最高に(17日)、などです。
韓国政府は2月14日、韓国とキューバの両政府が国交を樹立したと発表しました。ニューヨークで文書を交わしたのです。韓国にとって、キューバは193番目に国交を結んだ国となったのです。両政府は極秘で交渉を進めていたため、北朝鮮はこの協議を最後まで知らなかったと見られています。
今後、キューバと親密な関係を長年維持し、「兄弟国」といわれる北朝鮮の対応が注視されます。15日の朝鮮中央通信では、朝鮮労働党幹部は14日、「わが党と国家は、社会主義国家との団結と協力を強化していく」と述べたと報じましたが、キューバに関する直接の反応は示さなかったのです。
しかしキューバはカリブ海の社会主義国として、北朝鮮の長年の友好国であり、互いに「兄弟国家」と呼び合っていました。
この件が、北朝鮮にとっては外交的打撃になったことは間違いありません。目立った反応がないことが衝撃の大きさを物語っているのかもしれません。
キューバは1959年の社会主義革命を機に韓国と断交しました。そして翌年1960年、北朝鮮と国交を結び、相互に大使館を置いています。1980年代には、革命を指揮したフィデル・カストロ元国家評議会議長が訪朝しています。
北朝鮮・金正恩(キム・ジョンウン)総書記は1月1日、キューバのディアスカネル大統領に祝電を送りました。
内容は、「社会主義の勝利のための共同闘争で結ばれた両国の友好協力関係が今後も発展することを確信する」というものでした。強い絆で結ばれているという印象です。
韓国とキューバの国交正常化に至る経緯をたどります。
韓国政府高官によれば、2000年からしばしば、キューバに対して国交正常化を直接求めてきていました。
2016年に当時の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相がキューバを訪問し、関係改善の大きな一歩を踏み出したのです。しかし文在寅(ムン・ジェイン)政権では北朝鮮への配慮もあり、正常化交渉は進みませんでした。
しかし尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権になってから交渉再開を強く推進することになります。
2023年、朴振(パク・ジン)外相がカリブ諸国連合(ACS)閣僚会議に出席したことが大きな転機になりました。
その後、正常化交渉は水面下で行われ、駐メキシコ大使が実務交渉の仲介役となって進んだのです。昨年は朴振外相がキューバ政府高官と3回接触しましたし、最近は豪雨災害などでキューバへの支援にも力を入れています。
現時点では、北朝鮮がキューバや韓国に対し妨害工作を行ったかどうかは表面化していません。しかし「韓国は第一の敵国」と宣明していますので、今後どのような動きをするのか、最大の関心と警戒心を持って注目しなければならないでしょう。
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