2024.01.30 12:00
世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
北朝鮮、「祖国統一三大憲章記念塔」を破壊
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、1月22日から28日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
北朝鮮の「祖国統一三大憲章記念塔」が破壊されたことを確認(1月23日)。米共和党候補者選び「第2戦」、ニューハンプシャー州でトランプ氏勝利(23日)。ナウル共和国、中国と国交回復(24日)。米UAW(全米自動車労働組合)がバイデン氏支持を正式表明(24日)。トランプ氏 バイデン氏をリード、ロイター通信世論調査(25日)、などです。
北朝鮮・平壌で南北統一を象徴する「祖国統一三大憲章記念塔」が撤去されていたことが判明しました。
1月23日時点で、衛星画像で確認されました。19日時点では存在していたのです。爆破されたようです。
この記念塔は2001年8月14日に完成したもので、金日成(キム・イルソン)主席の「祖国統一の偉業」を伝えるため、当時の金正日(キム・ジョンイル)総書記の指導の下で建設されました。
2000年6月に開催された史上初の南北首脳会談の成果を踏まえたものです。
記念塔には「祖国統一三大憲章」が刻まれています。
それは金日成主席が1972年に韓国と取り交わした南北共同声明の三つの原則を指すもので、①自主的 ②平和的方法 ③民族の大同団結、です。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記が、父である金正日、祖父である金日成主席の業績を否定したかのように受け止められなくもありません。
極めて大きな意味を持っているといえるでしょう。
金正恩総書記は1月15日、最高人民会議で韓国との統一政策の転換を宣言しました。
その中で、憲法を改正して、韓国を「第一の敵対国」と位置付けるべきだと主張。「憲法にある『自主、平和統一、民族大同団結』という表現は、今や削除されなければならない」と発言したのです。そして次回の最高人民会議で憲法改正を議論するように指示しました。
さらに会議では、北朝鮮の対韓国窓口機関である祖国平和統一委員会など韓国に関係する3機関の廃止が新たに決まりました。
演説の中で、統一を象徴する言葉や建築物を排除する方針を示し、「平壌の南の関門に見苦しく立っている」と直接言及したのです。それが「祖国統一三大憲章記念塔」です。
統一に向けた過去の政策を象徴する構造物を取り除き、韓国を「敵対する他国」だと人民に明確に示す狙いがあるものと思います。
具体的な変化も起きています。
これまで使用していた地図は、朝鮮半島全土を領土としていたものですが、半島の北半分だけに塗り替えられ、天気予報などで使用されています。
また、対外宣伝用(韓国)サイトである「わが民族同士」など複数のサイトがアクセスできなくなっています。
さらに中央日報は、日本の朝鮮総連も「もう統一はしないということなのか」と動揺していると伝えました。
金正恩氏は、国内を固めなければならない状況にあり、「統一」のスローガンが邪魔になってきているのでしょう。
それほど厳しい状況にあるということです。
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