2024.01.29 22:00
宣教師ザビエルの夢 26
アプリで読む光言社書籍シリーズとして「宣教師ザビエルの夢」を毎週月曜日配信(予定)でお届けします。
1549年8月15日、鹿児島に一人の男が上陸した。家族や故郷を捨て、海を渡った男が、日本で夢見たものは何か。現代日本に対する彼のメッセージを著者が代弁する!(一部、編集部が加筆・修正)
白石喜宣・著
第二章 キリストと出会った人々
四、使徒の継承者
●父祖の信仰継承
北米の話になりますが、信仰の自由を求める102名の人々が、ヨーロッパを離れて東海岸ニューイングランドに足を降ろしたのは、1620年の真冬のことでした。寒さと飢えをしのぎながら、未来への希望を託して最初の教会を建てた彼らは、ピルグリム・ファーザーズ(巡礼父祖)と呼ばれています。彼らは、信仰深き先祖として人々の心に刻印されました。その10年後に「丘の上の町」(理想の信仰共同体)の建設を目指してボストン近郊に到着したピューリタンたちも、神聖な理想を胸に秘め、実質的にアメリカ合衆国の礎を築き始めます。それから一、二世代を経た者たちがまず直面したのは、敬虔なる信仰の衰退でした。
この時心痛めた指導者たちがとった方策は、一つのテーマの説教を繰り返すことでした。毎年記念日になると「エレミアの嘆きの説教」が語られ、その中で民の信仰の衰退と堕落を嘆き、父祖たちの高潔な信仰を想起させました。それを通して絶えざる悔い改めを促してきたのです。こうした営みがやはり二世代ぐらい続いた後にわき起こってきたのが信仰の大覚醒であり、実はその霊的高まりがアメリカ合衆国の独立へとつながっていったと言っても過言ではありません。
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次回は、「使徒教父時代の到来」をお届けします。