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平和の大道 66
樺太宗谷岬間海峡トンネル構想

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

 今年(2016年)12月中旬にプーチン・ロシア大統領が来日し、北方領土問題とも絡めて、「樺太宗谷岬間海底トンネル構想」の提案がなされるかもしれないと言われている。問題は、日韓トンネルとの関係である。この構想が先行し、日韓トンネルが立ち遅れるのではないかという懸念もある。今回はこの問題について検討する。

シベリア鉄道の北海道上陸

 2011年12月に、「樺太とロシア本土を鉄橋で、樺太島と日本をトンネルで結ぶ。日本側とこの件は討議している」とプーチン大統領がテレビ番組で語った。それから5年、今回は北方領土返還について進展がありそうだという報道もあり、シベリア鉄道の北海道延伸案は、それを念頭に置いた経済協力の一つになったという。日本側も対応する様子だ。日本の鉄道輸出につながり、日本側のメリットもありそうである。

 2005年に文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁は、ベーリング海峡トンネルを提唱されたが、その2年後の2007年にロシア政府は、シベリアとアラスカを結ぶ海底トンネル構想(いわゆるベーリング海峡トンネル構想)を発表し、実現に向けて米国、カナダへ働きかけている。ロシア側はかなり本気で、2011年にロシア政府はこの計画を承認している。日本や韓国のゼネコンにも声がかかっているようだ。

 ベーリング海峡トンネルを推進するロシア政府にとって、シベリア鉄道の北海道延伸は壮大な計画の内の一つだ。もくろみとしては、極東からEU、中東への輸送ルートとしての中国大陸鉄道ルート経由に対抗する輸送経路を第一として、米国から欧州までを鉄道で結び、シベリアで生産するエネルギー資源を世界市場で販売するという野望もある。世界規模の鉄道輸送がロシア一国の主導にならないように、日本を始め世界各国は適度に関与する必要がある。

 そして、日本は世界が鉄道で結ばれた時に蚊帳の外になっては困る。したがって、樺太宗谷岬間の鉄道トンネルも無視できない。

 海外で鉄道輸送が重視されている中にあって、日本では鉄道貨物輸送が盛り上がらない。これが今後問題となる。世界の趨勢は、特にユーラシア大陸においては、鉄道による大量貨物輸送時代を迎えようとしている。ランドパワー時代の再来である。日本は鉄道による貨物の大量輸送ということに目覚める時が来ている。このような情勢から、ベーリング海峡トンネルに連結したシベリア鉄道の北海道延伸構想に伴って、樺太宗谷岬間トンネル計画を積極的に推進すべきである。

日韓トンネル着工推進を早めよ

 問題は、日韓トンネルとの関係である。よく、どちらか一方を採用すべきか、両方必要か、両方とも必要ならば日韓トンネルとベーリング海峡トンネル(その一環としての樺太宗谷岬間トンネル)のどちらを先にすべきか、という議論がある。

 国際ハイウェイ構想の多極的な見地からすれば、両方がワンセットとして必要であり、どちらが先に着工しても構わない。実行できる方から始めたら良い。日本にとって重要なのは、アジア大陸に陸路でつながるルートを複数持つことであり、日韓トンネルと樺太宗谷岬間トンネルの両方が揃ってこそ、日本海を一周する輸送ルートが形成され、「環日本海経済圏構想」が現実化するからである。

 これが実現すれば、日本だけでなく、韓国、北朝鮮、中国、ロシアにとってもメリットが大きい。日本がアジア大陸とつながるルートが日韓トンネル一本だけでは不十分であり、不安定である。

 そもそも日韓トンネルと樺太宗谷岬間トンネルは、用途や性格も異なる。前者は、物流よりも人の移動に、後者は、人の移動よりも物流に重点を置く。プーチン・ロシア大統領の来日に伴い、樺太宗谷岬間トンネル構想が政府間の政策課題として浮上してきた。

 日韓トンネル構想は、今から35年前の1981年に文鮮明総裁により提唱され、数回にわたり韓国の大統領の提案もあったりはしたが、現在、日韓の政府レベルの政策課題までにはなっていない。今回のプーチン・ロシア大統領の来日で政府間レベルの政策課題となる可能性がある樺太宗谷岬間トンネルに先を越されるようになるかもしれない。プーチン・ロシア大統領の来日を契機とし、刺激とし、日韓トンネル建設推進が少しでも早まるようにしなければならない。

(『友情新聞』2016年12月1日号より)

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 次回は、「真のグローバリズムへの道」をお届けします。


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