2023.10.26 05:00
スマホで立ち読み Vol.28
『拉致監禁』32
世界平和統一家庭連合 総務局/編
スマホで立ち読み第28弾、『拉致監禁』を毎日朝5時にお届けします。
本書は現在の報道の背景を理解するとともに、拉致監禁の再発を防ぐために作成された一冊です。ぜひお読みください。
---
第二章 痛哭と絶望を超えて
残された心の傷⑥
心の傷は癒えない
私が逃げてから3年間は、再度の監禁を恐れ、両親とはほとんど手紙だけのやりとりで、会うことはありませんでした。
逃げてきたときは、家庭連合の教会には戻らず、私を助けてくださったご家庭にお世話になりながら、少しずつ心が癒やされていく日々を過ごしました。
そして、私と主人は、そんな中で家庭を出発できたことを神様に感謝しました。
純粋だった主人は、私が拉致されて以来、極度の人間不信に陥り、人と会うことを嫌うようになりました。
主人の両親は、私たちの結婚を喜び、結婚式も考えてくださっていたそうです。しかし、私の両親が拉致の話を主人の両親にも持ちかけていたために、それも実現することなく、隠れるようにして2人の生活が始まったのです。
主人は、私の両親をとても恨みました。この拉致監禁によって、どれほど心を踏みにじられたか分かりません。
私が少しでも両親の話をすれば、主人の顔の形相が急に変わってイライラし始め、どこにも持って行き場のない思いを私にぶつけてきました。夜は熟睡できず、毎晩うなされました。そしてとうとう、主人は自分にはどうすることもできない恨みと悲しみを抱えて、鬱病になってしまったのです。働くこともできず、働いてもすぐに辞めてしまう、そんな自分を責め続け、苦しんだのです。
6年間、アリ地獄に入ったような日々が続きました。
そして、とうとう2006年の夏、私も鬱病になってしまったのです。
主人は、今でも拉致の時の話をすると、怒りが込み上げてきて、形相が変わります。過去がフラッシュバックしてよみがえり、解けない恨みが湧いてくるのです。
直接、拉致監禁をされなかったとしても、このように、周りの家族も苦しみ、深く傷を負います。そして、15年以上の時間を経たとしても、その傷は癒えないのです。
私は長い間、主人の痛みを十分に理解することができず、私を責める主人を、私も責め続けました。しかし、自分が鬱病になり、その苦しみと、拉致された時の苦しみが重なって、主人の気持ちをもう一度考えさせられました。
もちろん、私が彼を怒らせたことも何度もあります。しかし、主人は私に対して、「自分の腹の底にある、あなたの親に侮辱された恨みが、あなたに対する怒りをさらに大きくする」と言いました。
それを聞いたとき、これは私と親だけの問題ではないと深刻に感じ、まだまだ我が家庭において、この拉致監禁問題が解決されていないことを改めて実感したのです。
私も自分の無力さに落ち込み、生きている値打ちもないような気持ちになるときがあります。ただ自分が探し求めているものを求め続け、近くの家庭教会につながって、今はひっそりと信仰を持っています。
3人の子供たちに恵まれて、子供だけは神様を中心にして育てたいと夫婦で願っています。
反対牧師たちは、家庭連合の信仰を完全に失くしてしまうまでは、自由を奪います。親の子供を思う気持ちを利用し、「保護説得」という美しい言葉を使いますが、それは完全に非人道的な拉致監禁です。本人の自由意思を全く無視して、「気が狂った者」のように扱い、最も信頼したい親から拉致監禁されるのですから、子供が心に負う傷は本当に深いのです。
信教の自由を奪い、親子関係に傷をつけて、それを修復していくことに、どれほどの時間と気力が要るか分かりません。このような行為は、人格を破壊し、精神も身体も脅かす許されない行為であると実感しました。
そして、直接拉致はされなかったとしても、私の主人のように、身近な人がその問題で大きなショックを受けることで、精神的疾患を抱えるようになっているのです。
独善的な「正義感」を持ち、罪悪感もなく拉致監禁をし続ける反対牧師たちがいることは、絶対に許し難いことです。
私の体験は氷山の一角で、もっともっと大変な方々がいることと思います。
これからも、この拉致監禁問題の解決のために声を上げていきたいと思います。
---
次回は、「祈るしかなかった」をお届けします。
★「我々の視点」脱会説得による悲劇②
★「拉致監禁」問題を考える特別シンポジウム(2023年9月10日)ダイジェスト映像