2023.10.25 05:00
スマホで立ち読み Vol.28
『拉致監禁』31
世界平和統一家庭連合 総務局/編
スマホで立ち読み第28弾、『拉致監禁』を毎日朝5時にお届けします。
本書は現在の報道の背景を理解するとともに、拉致監禁の再発を防ぐために作成された一冊です。ぜひお読みください。
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第二章 痛哭と絶望を超えて
残された心の傷⑤
苦悩…、そして脱出
そんな中で、私は、両親や妹が犠牲になり、私のためを思って行動してくれたことを思うと、どうしても、もう一度家庭連合に帰る気持ちにはなれませんでした。「私は隠れキリシタンのようにしているしかないのか……」など、本当に頭の中がおかしくなりそうなくらい考えました。その時は、冷静に物事を判断する力など、なかったのだろうと思います。
しかし、「家庭連合の教えを通して救いを感じていたことは、否定することができない」「主人はどんなに苦しんでいるだろうか……」と思うと、混沌とした状態が続いて、「一体、私の人生は、誰のものなんだ!」と大声で叫びたい心境でした。本当に苦しい日々が続きました。
自分自身の本心では、「自分の気持ちに正直に生きたい!」という思いでいっぱいだったのです。
牧師たちは、「もう大丈夫だろう」と私を信頼している様子で、拉致監禁されている兄弟の所へ一度、一緒に訪問しました。また、これから拉致監禁する予定の親や親族の方々が教会へ相談に来ているとき、「あなたの体験したことを話してあげてほしい」と言われ、話をしました。しかし、そうする中で、自分の本心を偽り、願ってもいない行動をしていることがたまらなく苦しく、「やはり、ここを出なければ、自分という存在が自分でなくなってしまう」と思いました。
毎日、どうすべきかを、ただひたすら祈りました。
そんなある日、京都聖徒教会の壁に聖句を見つけました。
イザヤ書41章13節
あなたの神、主なるわたしはあなたの右の手をとってあなたに言う、
「恐れてはならない、わたしはあなたを助ける」
「神様の声だ!」と確信し、涙があふれました。
私は自分の心を偽らず、正直に生きたい。
宗教間の争いの犠牲になりたくない。
そう思い、神様の導きを信じて、脱走することを心に決めました。
リハビリ生活から38日目、拉致されてから107日目に、私は束縛された異常な環境から、ようやく逃げ出したのです。
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次回は、「心の傷は癒えない」をお届けします。
★「我々の視点」脱会説得による悲劇②
★「拉致監禁」問題を考える特別シンポジウム(2023年9月10日)ダイジェスト映像