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平和の大道 56
平和文化への道

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

 先回は、可能性の観点から見て目標のレベルを上げれば、日韓トンネルプロジェクトは、宇宙開発にも匹敵する技術的にハイレベルのものになり得るということを述べた。

 今回は、「必要性、可能性、効果性」の課題を一旦離れて、そもそも、平和な世界建設という人類の未来創造である国際ハイウェイ・日韓トンネルプロジェクトとは、人類歴史の観点から見て、どのような事業であるかということを旧約聖書のイザヤ書を引用して論じることにする。

イザヤ書の平和成就預言

 旧約聖書イザヤ書24節に次の言葉がある。

 「こうして彼らはそのつるぎ(剣)を打ちかえて、すき(鋤)とし、そのやり(槍)を打ちかえて、かま(鎌)とし、国は国にむかって、つるぎ(剣)をあげず、彼らはもはや戦いのことを学ばない」

 人類の未来にはいつか必ず、人類が戦争のことを学ばない時が到来するという約2700年前の預言である。つまり、実際に平和を実現しようとして、戦争のことではなく平和のことを学ぶ「平和の文化」が主流となり、平和が実現する時代が必ず訪れるという預言である。

 実は、イザヤ書のこの聖句は国連本部の玄関口に記されている。現時点において「世界平和」の中心的な役割を担っている国連本部にこの聖句が高らかに掲げられているということは、「今が正にその時である」ということを暗に訴えているようだ。

 しかし、この預言の言葉を現実的に成就するためには、戦争の文化を象徴する「剣や槍」、「軍事産業」を、「平和の文化」を象徴する「鋤や鎌」、「平和産業」に転換することができる現実的で具体的な平和創造プロジェクトが、現時点において現れなければならないということだ。

 このような人類歴史の流れの中で、世界平和実現のために、現時点に現れたのが文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁の提唱された「国際ハイウェイプロジェクト」であると言えよう。このプロジェクトは、世界中に高速道路を張り巡らすということ以上に、高速道路や関連施設を建設することを通して、人類の文化を戦争の文化から「平和の文化」へと変えていく一大文化革命事業でもあると言うこともできる。イザヤ書の預言を実現する時はまさに「今」である。

戦争文化から平和文化へ

 残念ながら、現時点において「戦争文化」がまだ支配的であり、戦争は悪ではあるが、やむを得ない必要悪として国家間では容認されている。世界の軍事費を見ても、毎年約18千億ドル、日本円で約210兆円という天文学的な金が使われている。その内の約40%が米国一国の軍事費である(当時)。

 人類は、今まで核兵器廃絶運動や軍縮への絶えざる努力をしてきたが、この軍事費の数値は一向に下がらない。これが現時点における世界の実際の姿である。この現実の姿を見れば、軍縮への努力、平和への努力は絶望的に見える。

 しかし、なんとかして、軍備廃絶、軍事縮小というこの問題を根本から解決しない限り、「戦争の文化」は終わらず、現実的に平和実現の希望を持つことができず、平和は永遠に実現することはない。

 現時点においての最大の問題は、軍備が国家の根幹産業と深く結びつき、いわゆる「軍産複合体」をなしていることである。武器生産をやめると国内の多くの産業がダメージを受けるという経済上の問題が背後にある。したがって、この問題を根本から解決できる現実的な工夫をしないと平和実現という理想は空回りに終わる。

 そのためには、「剣と槍」を製造する軍事産業を、「鋤と鎌」を製造する平和産業に転換し、新たに製造された「鋤と鎌」を使って平和構築の事業を起こす以外に手はない。産業自体をなくすのではなく、産業構造の転換である。

 ところで、国際ハイウェイプロジェクトは世界中に高速道路を造るだけではなく、それ以外に多くの関連施設の建設、運営、維持が必要になってくる。

 砂漠地帯の緑地化、北極圏の寒冷地の開発、海洋の開発等の事業も、国際ハイウェイプロジェクトの関連事業として含まれている。機械力と人力が必要な世界平和に有益な仕事は多種多様、無限にある。

(『友情新聞』2016年2月1日号より)

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 次回は、「日韓トンネル実現の『時』」をお届けします。


◆『平和の大道 ―国際ハイウェイ・日韓トンネル―』を書籍でご覧になりたいかたはコチラへ(韓国語版もあります)


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