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平和の大道 55
宇宙開発に匹敵する日韓トンネル

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

計画のレベルと実現可能性

 よく「日韓トンネルは実現可能であるか」という質問を受ける。「実現できるともできないとも言えない。どの程度のものにするかどうかによって決まる」と言うことが現時点においての回答である。

 日韓トンネルが「夢」の段階から「現実」の段階になると、「実現可能性」の問題が浮上する。今その時期に来ている。実現可能性で真っ先に問題になるのが「技術」である。「技術的可能性」の問題である。計画を実現することができる既存技術(または将来における技術革新の可能性)がなければ、その計画自体実現性はないわけであり、計画実現を放棄する以外に選択肢はない。

 今回は、国際情勢や国家間調整や資金の問題には触れないで、技術問題に絞って論じることにする。技術だけの問題に絞ってみても、計画のレベルをどの程度のものにするかによって技術のレベルが決まる。計画のレベルを下げれば、技術的実現可能性は高まる。

 これからやろうとする日韓トンネルが、すでに実現して運行されている成功実績のある青函トンネルや英仏海峡トンネルと同程度のものと見て、鉄道だけの通行に限定すれば、既存の技術水準で十分可能であるため、計画の技術的実現性は保証される。高い水準のものを求めなければ、既存の技術の範囲で建設は十分可能であるから、可能性の問題は生まれない。その他、基本的には政府間合意と資金調達さえ上手くいけば実現される。

 しかし、例えば、車の通行が可能であるようにするとか、リニアモーターカーを通すとなれば、この日韓トンネルの建設の難しさのレベルは飛躍的に高まる。宇宙開発にも匹敵するものになるであろう。技術的に未開発の課題も多々生じるからである。

 200km以上にわたる長距離の海底を自動車で通行するとなると、排気ガスの排出、安全性、非常時の避難救出、快適性等が問題となる。

 リニアモーターカーで一番の問題は電力供給である。膨大な電力を消費することに加え、トンネル内に約10km間隔で変電設備を設置しなければならない。これだけで安全性や構造に大きく影響する。

自動車通行の安全性と快適性

 日韓トンネルにとって安全性の問題は極めて大きい。万一、トンネル内で自動車事故が起こり、火災が発生すると仮定すれば、トンネル内は逃げ場のない灼熱地獄と化す。距離が長い海底下数百メートルでは逃げようがない。想像を絶する大惨事になる。

 電気自動車で自動運転システムを採用しても、パンクや接触や衝突等の事故が起こらないという保証はない。海底トンネルにおける非常時の最大問題は、狭い閉鎖空間であるため、緊急に避難、脱出することが極めて困難であるということである。このような状況下における「絶対的な安全性」を保証する技術やシステムは、将来開発されるかもしれないが、今のところどこにもないのが実情である。

 次に、快適性の問題がある。2時間ほどの時間、閉鎖感のある地下の真っ暗な空間を前方だけを見つめてひた走りに走るとなると、精神的に耐え難い。その間、眠っていれば良いという考えもあるが、それでは能がない。自動運転する自動車の中で快適に過ごせる方法を開発する必要がある。新鮮な空気を吸い、外の景色を眺め、気分転換をするためにも、壱岐島と対馬島で地上に出られるようにする必要がある。

技術革新のチャンス

 本プロジェクトは、通行手段は鉄道だけに限るという考えもあるが、理想としては自動車通行、リニアモーターカー通行も考えている。というのは、海底トンネルは、陸上部の国際ハイウェイと連結しているため、自動車通行ができる方が望ましい。自動車に乗って、世界各地を自由に通行するというのが本プロジェクトの本来の趣旨でもあるからである。

 これを実現しようとすれば、青函トンネル英仏海峡トンネルを超える内容と技術水準が日韓トンネルには求められる。それゆえ、このプロジェクト実現を契機に、絶対的な安全性を確保し、快適性をも満たす革新的な交通システム開発等のイノベーションが期待される。夢のように思われた宇宙開発をすることで多くの革新的な技術が開発され、人類に多大な恩恵をもたらしてきたことを考えれば、日韓トンネル実現を目指すことで多くの革新的な技術が開発され、世界の人々がその恩恵を享受する時が来るであろう。その意味でも、日韓両国は日韓トンネルプロジェクトを新技術の開発、産業構造の改革の一契機とすべきである。

(『友情新聞』2016年1月1日号より)

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 次回は、「平和文化への道」をお届けします。


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