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シリーズ・「宗教」を読み解く 289
キリスト教と日本(68)
キリスト教信仰と共産主義的実践の両立?

ナビゲーター:石丸 志信

 戦後日本の民主化が推進される中、キリスト教の復興があった。
 敗戦で全てを失い、戦前の教育で養われた価値観が否定され、魂の彷徨(ほうこう)を続ける青年たちの救霊のため、プロテスタント諸教派、カトリック教会の別を問わず布教・伝道に力を注いだ。
 しかし、その陰で無神論・共産主義もまた国民の間に浸透していった。

 本来、キリスト教は神の存在を否定し宗教の失墜を図る共産主義とは相いれないものだが、この時期、共産主義に魅了されるキリスト教徒、牧師が登場してくる。
 1949年1月に、日本基督教団の牧師、赤岩栄がキリスト教信仰と共産主義的実践の両立は可能だとして、共産党入党宣言を行った。

 彼には、戦時下においては福音的信仰を口実に現実から逃避し、歴史の苦悩を担わなかったことへの反省があった。
 戦後は貧しき者の友となったイエスに倣い社会的実践への取り組みを強めていったところ、共産主義理論と実践に共鳴するようになっていったようだ。

 衝撃を受けた教団は、彼のこうした行動を遺憾とし、キリスト教と共産主義は相いれない旨の議長談話を発表。特別委員会を設けて事の収拾に当たった。
 委員との交渉の結果、彼は反省し入党は差し控えることにはなった。

 この問題は表面上収束したかに見えたが、その後も彼は所説を曲げず教団に対して批判的になっていった。
 教団の中には彼の所説に賛同する者もいた。その主張は、その後のキリスト教平和運動の中に形を変えて取り込まれていくことになる。



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