2023.09.27 12:00
世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
李在明・「共に民主党」代表の逮捕へ
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、9月18日から24日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
ゼレンスキー大統領、国連総会で演説(19日)。韓国「共に民主党」代表・李在明(イ・ジェミョン)氏の逮捕同意案が国会で可決(21日)。ウクライナが露・黒海艦隊司令部を攻撃(22日)。中国軍が福建省で軍事演習 台湾国防部が発表(24日)、などです。
韓国議会は野党の「共に民主党」が議席の過半数を占めています。300議席中168議席です。
この情勢下では大統領や与党が、必要とする法案を成立させて施策を実行することが難しいのです。
ところが最大野党の岩盤が崩れる出来事がありました。「共に民主党」代表・李在明氏の逮捕同意案が国会で採択されたのです。
李在明氏は9月18日朝、体調不良で病院に搬送されました。先月31日から、政権運営に反対するとの訴えをもって国会前などで断食を行っていたのです。
一方、ソウル中央地裁は、李氏が知事を務めた京畿道の対北朝鮮協力事業を巡り、韓国企業を通じた北朝鮮への不正送金に関わった疑いがあるなどとして、李氏の逮捕状を請求していました。
しかし国会議員の李氏は、国会会期中は国会の同意なく逮捕されない不逮捕特権があり、その執行は難しかったのです。
このような状況下で韓国政府は19日、李在明氏の逮捕同意案を国会に提出しました。
今年2月にも同様の逮捕同意案が国会に提出され、採決時は野党から賛成者や棄権者が出て賛成が反対を1票上回りましたが、賛成が出席議員の過半数に達せずに否決されたのです。
既述のように検察の逮捕状は、京畿道知事時代の都市開発事業を巡る背任容疑と、大手衣料企業による北朝鮮への800万ドル(約12億円)の送金に関与した疑いです。
同日(19日)、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が退任後初めて公の場で演説し、政権批判に加勢し、与野党の攻防が激しさを増していました。
そして韓国国会は21日、李在明代表の逮捕同意案を可決したのです。逮捕されれば、現職の党代表としては1978年の民主化以降初めてとなります。
採択の内容ですが、国会では出席議員295人が投票し、賛成が149票で可決に必要な過半数を1票上回りました。反対が136票、棄権6票、無効4票でした。
与党「国民の力」の議席数が111議席です。他党や無所属議員に加え、「共に民主党」からも30人近くが賛成票を投じたと見られます。
来年4月の総選挙が迫る中、党のイメージ低下を懸念する声が強まり、「共に民主党」内に、「李在明降ろし」に同調する議員が増えたのでしょう。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領にとっては来年4月の総選挙において過半数を確保することが至上命題です。
野党勢力の今後の動きに注目していきたいと思います。
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