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平和の大道 50
高規格道路網による文明創造

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

 この連載も今回で50回を迎え、一区切りをつけることにした。今までを第一部とすれば、51回目からは第二部となる。第二部からは、国際ハイウェイ・日韓トンネルに関する色々な問題を、様々な観点から論じる。「高規格道路網と文明形成」を今回の主題とし、50回にわたる連載の第一部を総括する。

アッピア街道視察

 今年(2015年)ローマに行く機会があり、66日に、いわゆるローマの道の先導役となった「街道の女王」と言われるあの有名な「アッピア街道」を視察した。国際ハイウェイを担当する者としていつかはアッピア街道を直接自分の目で見て、足で踏みしめてみなければならないと念願していたが、その思いがようやく叶った。

 ローマ市内からタクシーに乗り、アッピア街道に向かった。イエス・キリストの三弟子の一人のペテロが迫害を逃れるため、ローマから脱出しようとしてアッピア街道を南下していた時、ローマに向かう一人の旅人(イエス・キリスト)に出会ったというその場所を記念して建てられた「ドミネ・クォ・ヴァディス教会」前でタクシーを止め、旧アッピア街道に降り立った。

 約2000年前にできた道路は、昔そのままの石壁に囲まれた10mほどの道幅で、縦横10cmほどの正方形の石で舗装された上下2車線の一般道路として使用され、自動車が頻繁に往来していた。その道の歩道部分を自動車に注意しながら、2000年前のローマ時代に思いを馳せながら散策した。

 びっくりしたのは、B.C.312年に建設が開始された道路が21世紀の今に至るまで、ずっと一般道として使用されていたということであった。今のイタリアの国道の大半がローマ街道を改装したものであるという。古代の道路が現在の自動車道として十分機能しており、その耐用年数が半永久的であるということに、ローマ文明の息の長さと偉大さを知った。

 散策を終えてローマ市内に帰ろうとした時に、ドミネ・クォ・ヴァディス教会に隣接した農園の家主ピンナ・パウロさんに出会い、農園に招かれ園内を案内してもらった。農園内の施設や住居は2000年前のものをほぼそのまま使ったものであった。古代ローマ時代そのままの住居、地下室、倉庫、浴場、水道、カタコンベ(地下墓地)への入り口等を見ることができた。古代ローマの生活の一部を体験でき、古代ローマ帝国の時代にタイムスリップしたような錯覚を覚えた。今回の視察により、あの繁栄と平和を謳歌した古代ローマ地中海文明が、このアッピア街道という一本の小さな道から出発したことを歴史的事実として実感した。

道路による平和・文明形成の理念

 今回のローマ視察により、「すべての道はローマに通ず」と一般的には言われているが、事実は「すべての道はローマから出発する」という表現のほうがふさわしいのではないかということを実感した。ローマ帝国は、全体として人体構造に例えられる。人体構造であるならば、全体と部分が人体のように有機的に連携し、一体となっていなければならない。心臓に当たるのがローマであり、帝国内の各地域が体の各部分に相当し、ローマ街道網が動脈、静脈からなる血管網に当たる。血管の中を通って身体の隅々にまで血液が送られてこそ人間が生きていけるのだから、国家が健康に生きていくためにも、血管網は不可欠である。

 このように古代ローマ地中海文明をローマ街道という観点から見ると、ローマ文明の基本的な構造の実態がよく理解できる。ローマ街道という高規格の道路網を帝国域内に張り巡らせることによって、ローマは、古代地中海文明の基盤を作っていったのである。古代ローマ人は、道を作りながらその沿線に様々な施設を作り、ローマの文明を帝国各地に移植していった。このような古代ローマの歴史を見ることで、「高規格の道路網形成を核にした街造り、平和構築、文明造り」という発想・理念が見えてくる。

 このような観点から見る時、国際ハイウェイプロジェクトは単なる道路網造りではない。国際ハイウェイの両脇の幅約2kmをビザが不要の自由地帯として、どの国の人でも出入りができるようにし、この一帯に様々な施設を造ることがこのプロジェクトの眼目であることが分かる。このような道路を造ることにより、主権と領土を持つ各国の中に国境のない自由地帯を徐々に広げていくことが可能となるのである。故に、国際ハイウェイ構想は「新しい文明創造のインフラ形成」であると言うことができる。

 文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁により提唱された国際ハイウェイ構想の理念は、単なる夢物語ではなく、ローマ文明形成の歴史的事実に裏打ちされたものであるので、現実的で実証性の高いものであると言える。

(『友情新聞』2015年8月1日号より)

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 次回は、「必要性・可能性・効果性の検証」をお届けします。


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