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平和の大道 49
国際ハイウェイの戦略

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

戦略の要諦

 「戦略」(ストラテジー)とは、「戦争に勝つための計略のことを言うが、戦争の分野を超えて、特定の目標を達成するための長期的視野と複合思考で力や資源を総合的に運用する技術であり科学である」と定義されている。「国家成長戦略、経営戦略、営業戦略」等の言葉で戦略の用語が使われることが多い。

 しかし、ここで言う戦略とは、いわゆる一般的な戦略の定義とは少し異なる。事業や戦いにおいて、考えに考え抜かれ、選び抜かれ、絞り込まれ、理念・ビジョンを確実に実現でき、絶対に成功(勝利)できるという見込みと確信の持てるレベルに達した方策、手段のことである。あくまでその目的は「理念」と「ビジョン」の効果的な実現である。

 その条件の第一は、他の追随を許さない「圧倒的ナンバーワン」の内容(技術、発想、アイデア、組織、体制等)を持つものでなければならない。自分の得意分野を最大限活用して、誰も真似できないような創造的・革新的な方法、手段を編み出し、それを核にして他の手段を合理的に組み合わせて構成されたものでなければならない。

 「一番」にこだわる姿勢を持つことが重要である。「一番」のものが何か一つでもあると、余裕も生まれ、発想やアイデアに自由性が付与され創造的になっていく。

 第二は、戦略の「略」の文字の如く、実現手段が絞り込まれたものでなければならない。あれもこれもと多くの手段を羅列したものであってはならない。しかし、不要な手段を排除し、不可欠な手段を絞り込むということが最も難しいのも事実である。人は将来を見通せず、確信が持てず、不安になればなるほど、あれもこれもと手当たり次第試そうとする弱点がある。あれもこれもなすことはパワーの分散を意味し、戦略構築にとって最も拙劣なやり方であり、絶対にしてはいけない方法であり、成功(勝利)の一番の阻害要因となる。成功(勝利)するためにはパワーの集中が不可欠であり、そのために手段の合目的絞り込みが不可欠である。このためにも「圧倒的ナンバーワン」を持つことが必要となる。

 第三は、戦いの行動を起こす前に「必勝の体制(フォーメーション)」を整えておくことである。フォーメーションの段階で「これは勝てるな」と感じることができる構えをやり終えておくべきである。戦い始めた時はすでに89割方勝利が見えていなければならない。事前の「準備」と「シミュレーション」を徹底するということである。

 日本の武道(剣道)で「後の先」という必勝の戦法がある。これは、剣豪宮本武蔵、往年の大横綱双葉山、今の横綱白鵬(当時)、彼らが用いた極意(必勝法)の一つでもある。「後の先」とは、相手が攻撃を先に仕掛けるように誘い込んで一瞬遅れて受け立つが、すでに相手の力量や出方を事前に読み切っている(先を取る)ため、相手が行動を起こした時にできる一瞬の隙を突いて、一撃で相手を倒すという高度な技のことを言う。

 その戦法の要諦は、戦う相手の能力や戦法を事前に読み切って、戦う前に、勝つための準備と戦いのシミュレーションを徹底的に行い、必勝の態勢と信念を持って戦いに臨むということである。そのため、戦いが開始された時には、勝利の趨勢が決まっているのである。

 国際ハイウェイ・日韓トンネルプロジェクトにおける戦略は、以上のような戦略でなければならないと考える。というのは、このプロジェクトは、世界平和と新文明創造実現のため、他の手段に替わることができない未来創造型ビッグプロジェクトであり、絶対に勝利しなければならない21世紀の人類に課せられた崇高な使命であると考えるからだ。

日韓トンネル実現の戦略

 ここでは、国際ハイウェイの一環である日韓トンネル実現のための戦略に限定して論じることにする。国際ハイウェイ実現の戦略は後述することにする。

 目標は、2020年までに、日韓トンネルプロジェクトの日韓両政府の合意形成がなされ、その建設費が国家予算に計上され、両国の主要国家プロジェクトとなり、工事着工までこぎ着けることである。

 そのため国際ハイウェイ財団による日韓トンネル実現のための方策は、真の愛の実践による神主義に基づく絶対的な平和理念を提唱しつつ、唐津・壱岐・対馬の三拠点で日韓トンネルの象徴的モデルとしての調査斜坑工事を継続し、日韓トンネル推進国民運動を確立して多くの国民の賛同を獲得し、さらにマスコミを動かし世論を形成し、これらの基盤と活動実績を持って日本政府に働きかけ、日韓トンネル建設を国家プロジェクトにすることである。

 このような方策は、当財団と協力団体にしかできない「圧倒的ナンバーワン」戦略の骨子である。

(『友情新聞』2015年7月1日号より)

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 次回は、「高規格道路網による文明創造」をお届けします。


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