勝共思想入門 43

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「勝共思想入門」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
 同書は、40日研修教材シリーズの一つとして、1990年に発行されました。(一部、編集部が加筆・修正)

光言社・刊

第十一章 搾取の本質(その二)

四 労働者は窮乏化する

 マルクスは労働者がどれほど資本主義経済の仕組みの中で苦悶するようになるかを説明し続けます。そして、資本主義の発展とともに労働者の「窮乏化」は進むと予言しました。

 これは、マルクス以前のリカードという経済学者や、マルサスという人たちが主張してきた(賃金鉄則説)といわれる考え方と同じ立場に立っています。この考え方は結論として、労働者の賃金が最低生活費を保障するに足る水準で固定され、それより決して上昇することはないとするものでした。

 この立場からすれば、生活資料の量を常に一定の基準に抑えようとするということになります。それでマルクスは「賃金制度は一種の奴隷制度」であると主張したわけです。このことに伴って、生活資料生産のための労働時間の短縮が機械化・合理化によって進めば、賃金は必ず下がるという結論が出てきます。資本家との関係から見て、絶対的にも相対的にも賃金は低下するようになるというわけです。しかし、実際は賃金の上昇がどのように動いたといっても、マルクスの予言は外れたのです。

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 次回は、「搾取論の誤り/搾取の本質」をお届けします。

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