2023.06.08 22:00
勝共思想入門 41
アプリで読む光言社書籍シリーズとして「勝共思想入門」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
同書は、40日研修教材シリーズの一つとして、1990年に発行されました。(一部、編集部が加筆・修正)
光言社・刊
第十一章 搾取の本質(その二)
二 絶対的剰余価値
さて、共産党や社会党あるいはマルクス主義を基礎理念とした労働組合が、「合理化反対闘争」を打ちますが、その根本理由について説明してみましょう。マルクスは搾取(さくしゅ)を強める方法に二つあるといいます。利潤追求を強化する二つの方法といってもいいわけです。
まず第一に、「絶対的剰余価値」の追求といわれるものです。これは、一労働日の延長によってなされるものをいいます。労働日の意味は次のようになります。人間の労働時間の最大限は1日24時間です。しかし、24時間すべてを働くわけにはいきません。睡眠、休息、食事などで疲労した労働力を回復せねばならない時間があるのです。その残りの時間が労働時間となります。このような1日の労働時間を一労働日(単に労働日ともいいます)と呼びました。もし、8時間労働が施行されていれば、8時間が一労働日となります。
既に述べたように、1日の労働時間としての労働日は、二つの部分からなっています。一つは労働力の回復に必要な生活物質をつくるのに要する時間(必要労働時間)であり、もう一つは、それを越えての「剰余労働時間」であるとマルクスは主張するのです。
この労働日には最高限度があると言わなければなりません。一つは、肉体的限度であり、もう一つは、一定の文化生活を送らなければならないという社会面からの制約です。
しかし、マルクスは言います。この限界は弾力的なものであって、8時間労働であったり、12時間労働であったり、様々であると。資本家は労働力を買います。賃金はその労働力という商品の価格として払うものであるといいます。買った商品労働力をどう使うかは買主の自由であり、彼はこの商品からできるだけ大きい剰余価値を引き出そうと考えるようになります。労働者の生活維持に必要な労働時間は、ある文化水準のもとの社会では一定であるので、剰余価値を増すためには、この必要労働時間を越えて、剰余労働時間を延長するようになるというのです。このような労働日の延長によって生ずる剰余価値をマルクスは、絶対的剰余価値と呼んだのです。
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次回は、「相対的剰余価値」をお届けします。
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