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スマホで立ち読み Vol.20
『要約 統一思想・勝共理論』18

統一思想研究院・編著

(光言社・『要約 統一思想・勝共理論』より)

 スマホで立ち読み第20弾、『要約 統一思想・勝共理論』を毎週金曜日(予定)にお届けします。
 膨大な内容で構成されている統一思想と勝共理論を、分かりやすく要約しました。統一思想で神について学び、勝共理論で神の存在を否定する共産思想の間違いについて学びます。

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第二部 勝共理論
第三章 弁証法の批判とその代案

 次は共産主義の弁証法(唯物弁証法)を批判し、その代案を提示する。まず共産革命を正当化する武器としての性格を明らかにする。

一 弁証法の武器性

 マルクスの弁証法はヘーゲル(Hegel,G.W.)に由来するものである。マルクスはヘーゲルの観念弁証法を「逆立ちしたもの」であると批判し、フォイエルバッハの唯物論を受け入れて、ヘーゲルの弁証法に結合させて、「正しく立てた」弁証法として唯物弁証法を打ち立てたという。それが共産主義弁証法である。

 マルクスがヘーゲルの観念弁証法を唯物弁証法として、ひっくり返すのには理由があった。それはヘーゲルの弁証法から導かれた法哲学の理論が、当時の「プロシア」国家を理性的なものとして肯定し、擁護(ようご)したためである。ヘーゲルは『法の哲学』の序文で「理性的であるものこそ現実的であり、現実的であるものこそ理性的である」としたが、ヘーゲルはこの命題において現存する国家(当時の「プロシア」国家)を理性的なもの、すなわち理想的なものであると肯定した。それに対してマルクスを含むヘーゲル左派は、ヘーゲルの立場に反対して、現実的なもの(国家)は矛盾を抱えているために、理性的なものに変化しなければならないと主張した。「プロシア」国家は、ヘーゲルの法哲学のとおりにいけば、市民社会の対立、闘争、放縦(ほうじゅう)、悲惨、人倫の破綻(はたん)、犯罪などの否定的な面をすべて円満に解決し、理性的な国家として現れなければならなかったのに、社会の不条理を解決するよりは、かえって人間の自由や権利を拘束していたというのである。マルクスは国家が理性的(理想的)なものになるためには、プロレタリアの力で政治形態を変革させ、経済的条件を改革しなければならないと見た。そして改革(革命)の哲学的根拠として、唯物弁証法を成立させたのである。ヘーゲルの観念弁証法は、ただ単に歴史を説明することで終わってしまう観念の遊戯(ゆうぎ)にすぎず、「プロシア」国家の矛盾を是正することはできないと見たのである。市民社会を理性的なものに改革する道は、ただ物質的な改革方法、すなわちプロレタリアによる革命が必要なのであり、その革命を哲学的に裏づけるために打ち立てたのが、まさに唯物弁証法なのである。そのようにマルクスの弁証法は、初めから革命の武器となるように立てられたものである。

 それではマルクスの弁証法は武器として、どのように機能するのであろうか。それは殺戮(さつりく)、破壊、暴行など、残忍(ざんにん)な行動であっても、それが共産革命を達成するためのものであれば、どこまでも正当な行為であるということを哲学的に保証するものである。マルクスおよび彼の追従者たちにとって、弁証法とは、すべての事物は対立物(矛盾)の闘争によって発展するという発展の理論であった。いかなる事物であろうが、その内部には必ず二つの対立する要素(矛盾)があって、それが一方では統一関係を維持しながら、他方では闘争しているために、事物が発展するというものである。レーニンによれば、弁証法的相互作用において「対立物の統一は条件的、一時的、経過的、相対的であるが……闘争は絶対的である」(『哲学ノート』)というのである。ヘーゲルは「対立物の統一」に重点を置いて弁証法を説明しているが、マルクス、エンゲルス、レーニンなどは「対立物の闘争」に重点を置いている。彼らにおいて、闘争は発展にはなくてはならない不可欠の条件であると同時に、人間の主観に左右されない客観的な法則なのである。客観的法則(例えば自然法則)は、人間が妨げることができないだけでなく、妨げてもいけない。したがって暴力革命も社会発展の途上に現れる発展法則であり、これは阻止することもできず、また阻止してはいけないのである。そのような革命の合理化理論によって、共産主義者たちは常に革命熱に燃えるようになり、革命に協調しない者に対しては、ためらうことなく反動分子の烙印(らくいん)を押したのである。

 一方、共産主義に反対する自由知性人たちは、弁証法の内容を学んでみて、それは真理であるが、彼らはあまりにやり過ぎるという愚痴をこぼしては、反共意欲を低下させている。これが共産主義弁証法の武器性である。

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 次回は、「弁証法の批判」をお届けします。お楽しみに!



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