2022.11.11 12:00
スマホで立ち読み Vol.20
『要約 統一思想・勝共理論』3
統一思想研究院・編著
スマホで立ち読み第20弾、『要約 統一思想・勝共理論』を毎週金曜日(予定)にお届けします。
膨大な内容で構成されている統一思想と勝共理論を、分かりやすく要約しました。統一思想で神について学び、勝共理論で神の存在を否定する共産思想の間違いについて学びます。
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第一部 統一思想
第一章 原相論
一 原相の内容
(一)神相
神相は神の属性の「形」の側面をいう。神は人間の目には見えないが、一定の形、または形となる可能性(素材)、規定性をもっている。それがすなわち、神相である。神相には、性相と形状、陽性と陰性という二種類の二性性相である普遍相と、個別相がある。
(1)性相と形状
神の性相と形状は本性相と本形状ともいうが、この両者を併せて二性性相という。神と万物の関係は創造主と被造物の関係であるが、その関係を原因と結果の関係と見ることができる。そのような観点から見るとき、本性相は被造物の無形的・機能的側面の根本原因であり、本形状は被造物の有形的・質料的側面の根本原因である。
1 性相
神の性相、すなわち本性相は人間に例えれば、心に該当し、すべての被造物の無形的な要素の根本原因である。すなわち人間の心、動物の本能、植物の生命、鉱物の物理化学的作用性の根本原因である。言い換えれば、神の性相が次元を異にしながら時空の世界に展開されたのが、鉱物の物理化学的作用性、植物の生命、動物の本能、人間の心である。神の性相はさらに内的性相と内的形状の二つの部分に分かれており、性相の内部構造を成している。
①内的性相
内的性相は心の機能的部分(主体的部分)であり、知情意の機能をいう。知的機能は認識の能力であり、感性、悟性、理性などの能力をいう。感性は五感に映るままに認識する能力であり、悟性は概念化して論理的に判断する能力であり、理性は抽象(ちゅうしょう)化し、一般化する能力をいう。情的機能は喜怒哀楽の情感性を感じる能力をいい、意的機能は決心し、決断する意欲性をいう。
②内的形状
内的形状は心の対象的部分である「形」の要素であって、観念、概念、原則、数理などをいう。観念は心の中の事物一つ一つの具体的な姿(表象)であり、概念は抽象的な観念であり、原則は現象界の自然法則と価値法則の根本となる法則である。そして数理は自然界に現れる数的現象の根源であり、無数の数、数値、計算法から成っている。
2 形状
神の形状すなわち本形状は人間に例えるならば、体に該当し、すべての被造物の有形的部分の根本原因である。すなわち神の形状が次元を異にしながら時空の世界に展開されたのが、鉱物の原子・分子、植物の細胞・組織、動物の肉体、人間の体である。そのように被造物の有形的要素の根本原因が神の形状であるが、この被造物の有形的要素の根本原因には二つの側面がある。一つは素材(質料)的要素であり、もう一つはエネルギー的要素である。
このように神の形状は万物の質料的要素の根本原因であるために、「前段階の質料」ということができる。一方、今日の科学は物質の根本原因を素粒子の前段階としてのエネルギーと見ているが、神の形状は物質を構成しているエネルギー以前の状態、すなわち「前段階エネルギー」または「前エネルギー」(Pre-Energy)ということができる。これを「統一思想」では「原力」(Prime Force)と呼び、原力が万物を通じて作用力として現れるとき、その作用力を「万有原力」(Universal Prime Force)という。
3 性相と形状の異同性
本性相と本形状が本質的に同質的であるか異質的であるかを論ずることによって、一元論と二元論などの本体論上の様々な問題を引き起こしてきた。「統一思想」は本性相と本形状を同質的な要素の二つの形態と見ている。これは水蒸気と氷が水(H2O)の二つの形態であるのと同じである。神の性相と形状の二性性相は神の絶対属性の、すなわち同質的要素の二つの表現態であるということである。絶対属性が創造の過程において分化されたのが、神の心としての性相と神の体としての形状である。本体論から見るとき、このように観点は「統一論」であり、創造を構想する前の絶対属性それ自体を表現するとき、「唯一論」である。
アリストテレスによれば、形相と質料を究極までさかのぼると純粋形相(第一形相)と第一質料に至る。この純粋形相がすなわち神であるが、これは質料のない純粋な活動であり、思惟(しい)それ自体である。したがってアリストテレスにおいて、神は「純粋な思惟」、「思惟の思惟」であった。第一質料は神から完全に独立していた。したがってアリストテレスの本体論は二元論である。
トマス・アクィナスは、アリストテレスの「思惟」を根拠として、「純粋形相」または、「思惟の思惟」を神と見た。さらにアウグスティヌスと同じように、彼は神が無から世界を創造したと主張した。しかし、無から物質が生じるという教義は、宇宙がエネルギーによってできているとする現代科学の立場からすれば受け入れがたい主張である。
デカルトは、神と精神と物体を三つの実体とした。究極的には神が唯一の実体であるが、被造世界において、精神と物体はそれぞれ神に依存しながらも、相互に完全に独立している実体であるとして、二元論を主張した。その結果、精神と物体はいかにして相互作用をするのか、説明が困難になった。
そのように西洋思想がとらえた形相と質料、または精神と物質の概念には様々な矛盾点があったのである。そのような難点を解決したのが「統一思想」の「本性相と本形状は同一なる本質的要素の二つの表現態である」という理論である。
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次回は、「神相(2)陽性と陰性」をお届けします。お楽しみに!