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世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

北朝鮮と原子力空母「ロナルド・レーガン」

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、103日から9日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 北朝鮮、中距離弾ミサイル「火星12」発射(4日)。ロシア、ウクライナ・4州併合の手続き完了へ(4日)。ウクライナ、ルガンスク州の一部を奪還(5日)。北朝鮮、弾道ミサイル2発発射EEZ(排他的経済水域)外に落下(6日)。中国、成長率の目標割れを容認か(7日)。北朝鮮、弾道ミサイル2発発射EEZ外に落下(9日)。北に無条件の対話呼びかけ、米側(9日)、などです。

 北朝鮮は10月に入ってから4日、6日、9日とミサイルを発射しました。
 北朝鮮外務省は6日未明、談話を発表しましたが、その時、米国が日本海に原子力空母ロナルド・レーガンを再び展開し「朝鮮半島の情勢安定に重大な脅威を与えている」と述べ、その直後に短距離弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射しました。
 4日には中距離弾道ミサイルを発射し、ミサイルは青森県上空を越えて太平洋側のわが国のEEZ外に落ちています。

 この異常さは、米原子力空母ロナルド・レーガンが一つの要因です。
 同艦は9月下旬に日本海で韓国海軍や海上自衛隊と合同訓練を実施し、いったん海域を離れましたが、北朝鮮の挑発行為がエスカレートしたために、5日に日本海に戻ったのです。その前後に連続的な挑発行為が行われたのです。北朝鮮にとってとてつもない脅威であることが分かります。

 ロナルド・レーガンは米海軍横須賀基地を母港として、米海軍第7艦隊所属の第5空母打撃群を率いています。作戦時にはミサイル駆逐艦、ミサイル巡洋艦、攻撃型原子力潜水艦などと船団を組んで航行し、朝鮮半島有事の際には、北朝鮮攻撃の主力を担うことになります。

 201711月、米国トランプ政権(当時)は、ロナルド・レーガンを含む空母3隻を日本海に展開し、北朝鮮に最大限の軍事的圧力をかけました。
 同艦が備える蒸気式カタパルトでは、60機以上の艦載機を短い間隔で発艦させることが可能であり、精密誘導弾を搭載する戦闘攻撃機「FA18スーパーホーネット」は、韓国の基地から発射される地対地ミサイルと共に、北朝鮮のミサイル発射拠点を先制攻撃することを想定しています。

 韓国・峨山政策研究院の車斗絃(チャ・ドヒョン)首席研究委員は、艦載機の電子戦機「EA18Gグラウラー」が北朝鮮のレーダーや通信機器を妨害し、「短時間で北朝鮮軍の防空網をほぼ無力化する」と解説しています。

 さらに「バンカーバスター」があります。米韓両軍の事情に詳しい関係筋によれば、ロナルド・レーガンの一部の艦載機には、地下指揮所を破壊する「バンカーバスター」と呼ばれる地中貫通型爆弾を搭載できるといいます。
 金正恩(キム・ジョンウン)氏は、米空母が体制の存続を脅かす恐れがあると見ている可能性があるのです。

 金正恩氏は、有事になれば首都平壌の地下に建設した指揮所に滞在することになります。その深さは100メートル以上との見方もありますが、それでも安全ではありません。
 北朝鮮では、米空母が近海に展開するたびに全軍が警戒態勢に入り、軍内部の通信が頻繁に行われ、「兵士らは毎回、かなり疲弊する」というのです。
 日米韓は連携し、台湾危機が朝鮮半島危機に連動しないように訓練を積み重ねる必要があります。



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