シリーズ・「宗教」を読み解く 223
キリスト教と日本②
キリスト教の海外宣教とメシヤ再降臨準備時代

ナビゲーター:石丸 志信

 キリスト教が日本に伝来したのが1549815日。16世紀の半ばに、なぜキリスト教宣教の波は極東にまでたどり着いたのか。
 西欧に根付いたキリスト教がアフリカ大陸を回ってインド・太平洋圏に乗り出し、また、大西洋を渡って中南米へと歩を進めた。
 キリスト教の歴史において、文字どおり本格的な世界宣教の幕が開かれた時代だ。

 このような大事業がなされたのは、まず、大航海時代が訪れたからである。
 船を駆って海に乗り出せば他の大陸に至り、地球を一周することもできる時代になった。
 造船技術と航海術の発達、安全な航路の確保、そして、その大事業を支える国力の回復が見られた。

 イベリア半島のスペイン、ポルトガルはイスラム勢力に支配されてきたが、これを奪回して国力を回復したのである。
 両国は交易で国力を高めるため競って海外に進出し、各大陸に植民地を開いた。キリスト教王国を自認する彼らは、宣教師も植民地に送り出した。

 さらに、16世紀の宗教改革の精神は、プロテスタント諸教派を生み出しただけでなく、カトリック教会内の刷新ももたらした。
 ポルトガル、スペインのあるイベリア半島がその中心地となっていた。

 その代表的な人物がイエズス会の創始者イグナチオ・デ・ロヨラとフランシスコ・ザビエルだった。
 内的刷新、霊的覚醒の結果、彼らは「海外宣教」こそ、自らに与えられた使命だと受け止めた。このザビエルが日本にキリスト教をもたらすことになる。

▲フランシスコ・ザビエル(ウィキペディアより)

 こうした動きは、神主義の歴史観から見れば、「メシヤ再降臨準備時代」に入っての出来事と位置付けられる。
 それ故、再び来られるメシヤ・救い主のために、このかたを歓迎できる世界的な基台を立てる必要があった。

 環境を整えるために、創造主なる神はふさわしい働き手を求めた。この召命に応えたのがフランシスコ・ザビエルだったとみることができる。


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