シリーズ・「宗教」を読み解く 222
キリスト教と日本①
キリスト教の日本における伝道活動は失敗したのか

ナビゲーター:石丸 志信

 日本にキリスト教が伝来したのは1549815日。イエズス会創者の一人、聖フランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸したのがこの日だと、彼自身は感動をもって記録している。
 そうすると日本のキリスト教の歴史は既に470余年になる。

▲ザビエル滞鹿記念碑

 キリスト教の日本における伝道活動は失敗したのか。
 「成功はしなかった」と、大方の有識者はキリスト教徒であろうと非キリスト教徒であろうと、そのように思っている。

 現在の日本におけるキリスト教の信者数から見て、カトリック、プロテスタント諸派を含めて人口の1%にも満たないのだから、マイナーな宗教であることは間違いない。

 日本にキリスト教が広がらなかった理由は、「排他的で不寛容な一神教のキリスト教は宗教的に寛容な日本の文化にはなじまない」といわれてきた。

 「日本人が大事にしてきた先祖祖霊を否定したから、キリスト教の伝道ははなからつまずいたのだ」との主張も聞かれる。

 「そもそも農耕文化の日本と一神教が生まれた砂漠の文化とは風土が違うので違和感がある」との理由が当たり前のように語られ、多くの人が同意しているように見える。

 しかし私は、そうした言説を聞くたびに穏やかならざる気持ちになる。
 これらの主張は概してキリスト教を肯定的には捉えず、問題はキリスト教にあるのだと言っているからだ。

 現在の状況から見ればキリスト教の宣教活動は成功したとは言い難いが、最初からそうだったとも言えない。
 宣教師ザビエルによるキリスト教伝来からおよそ一世紀の歴史を、ほとんどの人は考慮せず語っていると思える。

 少なくとも16世紀の後半から17世紀の初頭にかけて、日本国内には数十万のキリスト教信者が存在し、為政者にも影響を与えるほどの基盤がつくられていた。
 日本人のキリスト教信者は西洋の技術に驚き、新しもの好きが新規の宗教にかぶれたわけではない。

 当時の西洋のキリスト教信者とも引けを取らない、あるいは彼らも驚くほどの信仰の模範を示す人々を多く輩出していたのだ。

 これから何回かに分けて、このあたりのことを振り返りながら、キリスト教と日本について考えてみたい。


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