2022.06.14 17:00
シリーズ・「宗教」を読み解く 221
会津キリシタンの郷(さと)を訪ねる
ナビゲーター:石丸 志信
5月半ば、会津若松に出かける機会があった。
幕末の戊辰戦争と白虎隊の悲劇、『八重の桜』の主人公・新島八重の出身地などで知られる町。
430年余り前にさかのぼると、この町は秀吉の家臣・キリシタン大名レオン蒲生氏郷(がもう・うじさと)が領主として治めた地でもあることが思い出された。
蒲生氏郷は、近江日野城の出身、武功を立て、伊勢松坂に居城を構えていた。秀吉の奥州仕置により会津黒川城主に任じられた。
彼は、黒川城を改築し城下町を整備した。この地を「若松」に改め、七重の天守閣を竣工(しゅんこう)、名を自らの幼名にちなんで「鶴ヶ城」と名付けた。
蒲生氏郷は茶人仲間の高山右近の勧めもあり、1585年(天正13年)にオルガンチーノ神父より洗礼を受けている。
氏郷は会津に転封された後も大阪で秀吉に仕えていた時が多く、若くして病に倒れたため、彼がここで過ごした時間は短かった。
それでも、キリシタンの家臣も多く、領内は一時キリスト教が盛んになったのは間違いない。
後に、江戸幕府のキリシタン禁制政策が厳しくなった時、この地でも大量の殉教者を出したことからもそのことが分かる。
今回は急な出張であったため、キリシタンゆかりの地を丹念に巡礼することはできなかったが、一カ所訪ねたのが天子神社。
神社の由来には、かつて蒲生氏郷が領内3カ所に天主堂を立てたが、その一つがこの境内にあったのではないかという。
今はうらぶれた神社だが、その陰に、迫害と弾圧を経たキリシタンの悲しみを隠している。東北には隠れたキリシタンの郷が多い。
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