2025.04.02 17:00
共産主義の新しいカタチ 57
現代社会に忍び寄る“暴力によらざる革命”、「文化マルクス主義」とは一体何なのか?
国際勝共連合の機関紙『思想新聞』連載の「文化マルクス主義の群像〜共産主義の新しいカタチ〜」を毎週水曜日配信(予定)でお届けします。(一部、編集部による加筆・修正あり)
「装置」としての文化概念説く
ブロニスワフ・マリノフスキー①
フランツ・ボアズ学派のマーガレット・ミードのチャンブリ族研究について「男女の性別役割逆転社会」の記述が誤りだと指摘したのが、ドナルド・E・ブラウンの『ヒューマン・ユニヴァーサルズ』で、人間の「文化的営みの普遍性」を探究した労作と言えます。
同書でミードの「チャンブリ族研究」批判を行ったように、厳しく批判を展開したのが、ポーランド生まれの英国の文化人類学者ブロニスワフ・マリノフスキー(1884〜1942)がニューギニアのトロブリアンド諸島でのフィールドワークから導き出した「(精神分析学の)エディプス・コンプレックスでは、父親を殺し、母親と結ばれたいという抑圧された願望があるのに対し、トロブリアンド諸島の母系社会では、自分の姉妹と結ばれ、母方の叔父を殺したいという願望があり、エディプス・コンプレックスは普遍的なものではない」という結論にも、異を唱えています。ブラウンはこの英国を代表する文化人類学者マリノフスキーについても、1980年代のスパイロの研究報告を基に、やはり「一つの神話」であったことを指摘しています。
デュルケーム社会学が機能主義確立
19世紀後半の進化論への反発として文化人類学に現れたのが、独墺学派の文化圏説、フランス社会学ならびに英国人類学における「機能主義」でした。
機能主義は、文化・社会現象を、生きて互いに働き合う機能の構造として捉える立場です。
このうち機能主義を確立したのがフランスの社会学者エミール・デュルケーム(1858〜1917)で、英国の文化人類学へ絶大な影響を与えました。
デュルケームは『社会学的方法の規準』で、社会学の研究対象は個人の総和以上であり、個人の行動を規制する諸制度から群集心理まで含む超個人的存在を「集団表象」と呼びました。集団表象は、未開から文明まで本質的な差異がなく、未開社会と文明社会を比較することで社会自体の特質を見出せるとしました。デュルケームの考えは、歴史主義や進化主義に対する批判として、機能主義の出発点となりました。
その一方、ダーウィニズムの影響に基づく進化論的な考え方は、生物学にとどまらず、文化や社会の歴史的研究にも現れました。
例えばイロクォイ族を研究したルイス・H・モーガン(1818〜1881)は『古代社会』で、ダーウィンに『資本論』を献呈したマルクス=エンゲルスに絶賛されたのです。
(続く)
★「思想新聞」2024年3月15日号より★
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国際勝共連合 街頭演説「今こそスパイ防止法制定を!」2025年 3月14日 高田馬場駅