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世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

北朝鮮兵がウクライナ戦争に「参戦」か?

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、1014日から20日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 「韓国は敵」、閉鎖を表明していた北朝鮮が改憲か、陸路爆破(1015日)。中国国防省、石破首相提唱の「アジア版NATO」構想を非難(15日)。約3千人の北朝鮮兵がロシア軍傘下に、ウクライナ報道(15日)。ゼレンスキー大統領が最高会議演説で北朝鮮の「参戦」を指摘(16日)。ハマス最高幹部シンワル氏殺害を確認、イスラエル軍が発表(17日)。シンワル氏死後もハマスは「存続」と、イラン最高指導者が発言(19日)。アメリカ軍とカナダ軍の艦艇が合同で台湾海峡通過(20日)、などです。

 ゼレンスキー大統領は1016日、最高会議で演説し、ロシアによる侵略に北朝鮮が「参戦している」と述べました。

 さらにウクライナメディアは、複数の情報機関筋の話として、ロシア軍が北朝鮮人で構成する部隊(数千人規模で、部隊の名称は「特別ブリヤート大隊」)をウクライナとの国境地帯(クルスク州)に配備していることを明らかにしています。

 ロシアと北朝鮮は今年6月、事実上の軍事同盟となる「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名するなど、安全保障協力を拡大しており、これらの動きは新たな協力段階に入ったことを意味しているといえるでしょう。

 ロシアはウクライナ侵略を直接・間接に助けてもらっている見返りに、北朝鮮への支援格上げに動いています。

 ウクライナ当局の推計によれば、北朝鮮は2024年夏までに砲弾280万発と、最大60発の弾道ミサイルをロシアに供与しています。
 ウクライナ検察当局は一例として、2023年冬に北朝鮮製の弾道ミサイル21発が民間人24人の命を奪い、115人を負傷させた証拠を押さえたとしています。

 ロシアは、ウクライナのロシア占領地域に北朝鮮軍の幹部を受け入れて実戦に役立つ最新の戦術などを教え始めた形跡もあります。

 また、韓国軍合同参謀本部は1015日、北朝鮮が同日正午ごろ南北間をつなぐ道路と鉄道の北朝鮮側の一部区間を爆破したことを明らかにしました。

 韓国統一省は、「異常な措置だ」と、爆破を強く非難しています。
 爆破は境界線から約10キロメートル地点で事前警告もなかったといいます。韓国軍関係者は「朝鮮戦争の休戦協定違反に当たる」と指摘しました。

 韓国軍は、朝鮮半島西側の「京義線」と東側の「東海線」の道路や鉄道が爆破されたとし、土煙が吹き上がる映像を公開しました。

 京義線と東海線は朝鮮戦争で遮断されましたが、2000年の南北首脳会談で鉄道と道路の再連結で合意。道路は20042016年に操業した韓国企業による「開城工業団地」の事業で使われ、南北協力の象徴となりました。

 北朝鮮は9日、道路や鉄道を遮断し防御用構造物で要塞化する工事を行うと予告していました。
 今年1月の最高人民会議における金正恩(キム・ジョンウン)総書記の演説で指摘されていたことでした。

 存亡を懸けた北朝鮮の動きがどこまで進むのか、予想は困難です。
 日本の安全保障にも深く関わる重大な局面に入っているといえるでしょう。



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