2021.02.05 22:00
【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!
第26回 自尊感情を高めるためにはどうしたらよいですか?
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回の質問は、「自尊感情を高めるためにはどうしたらよいですか?」という質問です。
「自尊感情」とは、自分を肯定的に見るだけでなく、「自分を大切に思う気持ち」「自分の存在に対する誇り」です。
この自尊感情の高さが、人間関係をはじめとする人生全般にわたって大きな影響を与えます。
それでは、自尊感情を高めるためにはどのようにしたらよいでしょうか?
二つの方法を紹介いたします。
一つ目の方法は、「称賛」です。
他者との比較で「すごい自分」「優れた自分」を自覚できたときに、「社会的自尊感情」が高まります。
人は誰もが「長所」と「短所」を持っています。
全ての面において優れているという人はいませんし、反対に全ての面において劣っているという人もいません。
ですから、その優れた面にこそ目を向けて、そこに注目すること、そしてそれを大切にして伸ばすことです。
また、長所を家族や友人など周りの人から称賛されることはうれしいことです。
互いに相手の良い点に注目して「素晴らしい!」「いいね!」と称賛し合う姿勢を常に持ちたいものです。
たとえ人から称賛されなくても、自分自身の良い個性や頑張ったことを自ら称賛することも効果があります。
例えば、「感謝・称賛日記」を付けるという方法があります。
今日一日を振り返って、良かったこと、うれしかったことなど、感謝することを一つ書きます。
さらには自分が頑張ったこと、自分に対して素晴らしいと思ったことを一つ書きます。
ささいなことでも感謝して、頑張った自分自身に対しても称賛をし続けると、確実に自尊感情が高まります。
ところが、自尊感情が低い人は、人と比較し過ぎる傾向があります。
周りの人と比較対照して自分の価値を決定しがちです。
自分の欠点ばかりが気になる人は、自分にないものを持っている人ばかりが気になって、自尊感情はさらに低くなります。
そこで、比較しないで自尊感情を高める方法があります。
それが「承認」です。
「ありのままの自分」を丸ごと受け入れることです。
「自分らしさ」「唯一無二の自分」という個性の価値を感じる時に高まるのが「基本的自尊感情」です。
例えば、自然界の美しい花々は、それらを比較したとしても、その美しさに順番を付け難いのと同じように、人間の個性は唯一無二であるので、その貴い存在に順番を付けることは難しいのです。
神様から見たら、全ての個性が最高傑作として貴く見えるはずです。
前者の社会的自尊感情は、成功したり、勝負に勝ったり、他者から褒められたりすれば高まりますが、うまくいかない時には低下するなど、不安定な感情となりがちです。
一方、基本的自尊感情は、他者との比較によって高まるのではなく、信頼できる人と感情が共有できたときや、ありのままの自分を受け入れるという「自己受容」ができたときなどに育まれるものです。
この基本的自尊感情が十分に育まれていない場合は、その代わりとして社会的自尊感情で補おうとします。
このような時に陥りやすい問題は、成功したり、勝ったり、褒められたりすることのできない人は、自分よりも弱い人をいじめたり、押さえ付けたり、虐げるなど、いびつな形で人よりも優位に立とうとすることです。
このようなゆがんだ自尊感情は、人間関係を破壊します。
以上のように、自尊感情を高めるためには、「称賛」と「承認」という二つの方法がありますが、より重要なのは、「褒める」という条件付きの評価や他者との比較よりも、「承認」という無条件の共感の方が、自尊感情を豊かに育むことができるということです。
皆さんからの質問をお待ちしています。
「人生相談Q&A」で、ほぼ5分でお答えいたします。また、お会いしましょう!