家族の絆づくり 146
喜び、喜ばれる人は発展する

ナビゲーター:阿部 美樹

「正しい経営」から「楽しい経営」
 人が集まるお店、人気のある売り場、発展する企業には、必ず何らかの発展する要因があるはずです。
 その一つは、「正しい経営」をしているかというよりも、「楽しい経営」をしているかどうかではないでしょうか。

 「正しい経営」とは、コストや売り上げ、伸び率、人件費や償却比率など、経営方針や経営計画が立てられているかという要因です。
 しかし最も大切なことは、「どうしたらお客さまに喜んでもらえるか?」ということが考えられた経営です。

 経営者にとっても、このことを考えることが一番やりがいを感じる楽しいことでしょう。「楽しさと喜び」を追求してこそ発展していくのではないでしょうか。

いかに喜ばれる存在になるか
 どんなお店でもお客さまに対して、感謝の思いを込めて「ありがとうございます」という言葉を常に伝えます。

 発展しているお店は、お客さまの方からも「ありがとうございます」という言葉が返ってきます。
 店員の応対や笑顔、価格のサービスやアフターサービスなど、「そこまでやってくれるの!」という驚きと喜びをもった感謝の心です。

 人間は一見、損得勘定の中で自分の喜びのみを追求しているように見えますが、「いかに喜ばれる存在になるか」という人間としての最も根源的な幸せを求めています。
 喜ばれる存在を目指す個人や組織は発展するということです。

 「人間は小宇宙」というように、宇宙自然の法則は人間の体を観察することで知ることができます。

 例えば、眉毛は汗が目に入らないように目を守っています。耳は人の話を聞きやすくするために耳たぶがつくられています。口は食べ物を取り込みやすいところについていて、歯は食べ物をかみ砕き胃腸が消化しやすいように助けます。

 このように、人間の体には自分のためだけに存在するものは何一つありません。
 人間も為に存在しているので、「ありがとう」と言いながら感謝する生活、「ありがとう」と言われながら感謝される生活こそ、楽しくうれしい人生になります。