2020.11.07 17:00
『祝福家庭』91号(2018年 冬季号)
「小学生教育Q&A」
〜ゲームとどのようにつきあうか〜
家庭教育局成和子女部 部長・齋藤安正
【Q】
小5の息子がコンピューターゲーム(以下、ゲーム)に夢中で困っています。勉強がおろそかになり、注意すると反抗的な態度を取るのですが、どうしたら良いでしょうか?
【A】
●ゲーム「依存性」の恐ろしさ
親子でゲームとどのようにつきあえばいいのか、子供が心の問題を抱えていないか、2つの面から考える必要がありそうです。
一般的にゲームはストレス発散や息抜きになるとも言われ、親が一方的に“悪い”と決めつけることはできませんが、“ゲームで人生が狂う”という事例もあります。ですから、分別がつかない子供にゲーム機を持たせるには、特に注意が必要です。
インターネットを介さない従来のゲームは、親がある程度のルールを整え、ゲームとの関わり方を指導すれば、さほど心配ないようです。しかし、スマホやタブレット、パソコンを利用するオンラインゲーム(ネット上で複数人が参加して行うゲーム)は依存性が高く、気をつけなければならないと言われます。
●親子で話し合ってルールを決める
ある教授は「現代の子供たちにとってゲームは“当たり前の存在”なので、過度に禁止しすぎても良くない」と言います。子供の欲求を抑えすぎると、“大きなストレスを抱える”からです。
学校の友人が皆、ゲームを持っていれば、持っていない子供は仲間に入りづらいでしょう。それは子供にとって決して小さな問題ではありません。親が子供の気持ちをよく聞いたうえで、どのようにするか話し合う必要があります。
30年くらい前の話ですが、私と同世代の二世の多くは、ゲームや漫画などを親から禁止されていました。幼少期は、親が子供に言い聞かせることができますが、成人になってから自分でゲーム機を購入し、堰(せき)を切ったように没頭してしまう二世もいたのです。
韓国・HJ天宙天寶修錬苑の講師は「ルール決めのタイミングが重要。ゲームが自分のものになってからルールを決めるのと、買う前にしっかり話し合い、約束してから手にするのとでは、効果が全く違う」と語っています。
既にゲーム機がある家庭も多いかもしれませんが、それでも、ルールを決めてください。そして「ルールを決めて守らせる」ことに親の本気度、覚悟を示していきましょう。「ルールづくりのポイント」は下記の内容を参考にしてください。
①ゲームをする前に、宿題、お手伝い、習い事(練習)、学校の準備を済ませる。
②時間帯や制限時間を決める。30分、1時間、夕食の前までなど。(夜遅くは良くありません)
③ゲームをする場所は、居間など家族の目が届く場所が望ましい。
④ルールをしっかり守らせるために、子供が「絶対に受けたくない 」と思える“きつめ”のペナルティーを決める。
※親が一方的に決めて押し付けるのではなく、親子でよく話し合い、納得のいくルールにすることが大切です。
●親子が共に成長するチャンス
また、子供がゲーム以外に熱中できることを探しましょう。
真のお父様は、自然の中で祝福子女に神様を教えるように指導されました。子供は本来、好奇心旺盛で、野外で全身を使って遊ぶことが大好きです。親にとっても、子供が友人と元気よく外で遊ぶ姿を見るのはうれしいことです。
しかし、公園などのスペースが少ないこと、不審者がいるなどの安全面での不安、習い事や教会学校の時間が優先で友人と遊ぶ時間がないことなどの課題があります。子供がそのような環境に対する不満をもっているかもしれないので、子供の声によく耳を傾けてください。
子供は、お父さんやお母さんと一緒に遊ぶことが大好きです。家族で過ごす時間や、お子さんとの一対一の時間を、どれくらいもっているか振り返る機会をもちましょう。
最近では、親自身がスマホに依存し、子供への関心をもてなくなっている事例もあります。私たちがスマホを便利に楽しく使っていれば、子供が興味をもつのは当然です。子供にだけルールを徹底することは難しいでしょう。
問題が生じたときこそ、親子が情的に近づき、共に成長するチャンスでもあります。“子供の問題”とだけ捉えるのではなく、親自身のライフスタイルや価値観を見詰め直す機会にしましょう。
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