家族の絆づくり 138
脳の三つの特性を活用した未来づくり

ナビゲーター:阿部 美樹

脳による「未来体験リハーサル」
 人間は「脳」を活用して考えるように、脳の特徴をよく知って最大限に活用することが大切です。
 脳の主な特徴を三つ紹介します。

 第一の特徴は、「脳は現実と想像を区別することができない」ということです。
 頭に思い描いているものが「想像」であろうと「現実」であろうと、同じ神経回路を使って処理され、各器官に指令が出されます。ですからイメージするということは、脳にとって現実に体験していることと同じです。未来を現実のものとしてインプットする「未来の体験リハーサル」のようなものです。より具体的に、自由に想像を膨らませて、「ワクワク感」を味わうことが大切です。

 聖書には次のような聖句があります。
 「さて、信仰とは、望んでいる事がらを確信し、まだ見ていない事実を確認することである。昔の人たちは、この信仰ゆえに賞賛された。信仰によって、わたしたちは、この世界が神の言葉で造られたのであり、したがって、見えるものは現れているものから出てきたのではないことを、悟るのである」(ヘブル人への手紙 第1113節)

 このように、まだ見ぬこともイメージして確信することが願いを実現する秘訣のようです。

肯定的表現で未来を創造する
 第二の特徴は、「脳は否定形では記憶することができない」ということです。
 「失敗しないようにする」という否定形で意識すればするほど、失敗ばかり考えてしまいます。
 「離婚しないようにする」ということをいつも意識すると、夫婦間の試練が来ると離婚を考えてしまいます。いつも離婚を考えているからです。
 ですから、「~をしない」「~にならない」などの否定形では逆効果です。常に「肯定形」で願望を言語化することが大切です。

 第三の特徴は、「脳は、話している内容が過去の事、現在の事、未来の事にかかわらず、今の事として捉える」ということです。
 まだ見ぬ未来の事を話した場合も、今の事として捉えて実現するために働きますから、未来の不安や心配よりも希望的な未来や幸せを意識した方が良いようです。

 このような観点から見ると、希望的な未来に対して肯定的な言葉で表現し、繰り返しイメージすることこそ、幸せになるための脳の活用方法です。
 無限の可能性を引き出していきましょう。