家族の絆づくり 6
自尊感情を育む0歳児教育

ナビゲーター:阿部 美樹

一対一の関係性
 政府の少子化対策の中で、幼児教育・保育無償化政策などが検討されています。幼稚園の費用や保育料の負担軽減は、子育て世代からのニーズが高い施策ですが、保育所保育だけでなく家庭保育を選択する家庭にも注目してほしいものです。
 子供の人格形成から見た場合、「三つ子の魂百まで」というように、幼児期の教育が最も大切です。その中でも0歳の時に全ての人格の基礎と土台ができます。乳児期は母子間の一対一の関係性を通して育まれる「基本的信頼感」の形成が必要です。


写真はイメージです

母子共に成長するゴールデンタイム
 「個」としての関わりが重要な時期に、保育所保育のように「集団の中の一人」として扱われてしまうと、子供の基本的信頼感を形成することが難しくなります。個として大切に関わってあげることで、子供の心に「自分は唯一無二の大切な存在だ」という実感が獲得され、「自尊感情」が育まれます。この時期、母親は子供から無償の愛を求められますが、母親自身に幼少期に愛されなかったというトラウマがあると、「子育てが大変」という思いから産後鬱になることがあります。しかし、乳児期の家庭保育は、母親が人として成長する、お金に代え難い貴重なゴールデンタイムです。そのわずかな期間が、親子の絆を育む最大の機会でもあります。