家族の絆づくり 5
子女問題を解決する三つの実践

ナビゲーター:阿部 美樹

時間と空間の主管
 子供に問題が起こる家庭にありがちなのは、「万物主管」(諸事万端を愛情と知恵をもって管理すること、使うこと)ができていないことです。
 第一に「時間主管」です。朝の起床、朝食から始まって、夕食、就寝までの時間を規則正しく守ることが、子供の教育には非常に重要です。逆に言うと、生活リズムが狂っていると、子供に悪い影響を与えるということです。
 第二に「空間主管」です。家の環境をきれいに整理することです。家の中が雑然と散らかっていると、そこで暮らす家族の心もすっきりしません。心が散漫になり、集中力を失います。部屋の至る所にごみがおいてあれば否定的な心を誘発し、整理整頓されて花が飾られている部屋では肯定的な心が引き出されるものです。

おいしい食事
 第三は、「おいしい食事」です。母親が毎日忙しくて夕食を作る時間に帰宅できない場合、子供は空腹のまま我慢しなければならないため、不満がたまります。しかも、スケジュールがずれ込むと、結局夜型の生活になり、起床が遅くなって、悪循環に陥ります。
 内閣府が行った「第4回非行原因に関する総合的研究調査」の結果を見ると、非行少年は一般少年に比べて朝食をしっかり摂らない傾向が見られ、夕食を家族と共にする割合も低くなっています。
 「おいしい食事を作る」ということは、食事を豪華にしたり、料理の腕を上げるということ以上に、お母さんが愛情と精誠(真心)を投入するということです。実際この点を改善するだけでも家庭に大きな変化をもたらすことが可能です。