家族の絆づくり 4
家庭の中の怒りと笑い

ナビゲーター:阿部 美樹

暴力といじめが増加
 「59457件」。これは2016年の小中高の児童・生徒の暴力行為の件数です。前年比で2654件増加しています。特に、小学生は22847件(前年比5769件増)と、増加が目立っています。また、いじめの認知件数(2016年小中高)は323808件で前年比98686件増となり、過去最多です。これも近年は小学生が急増し、237921件になっています。
 暴力やいじめという、相手に対する過激な攻撃が目立つようになっている背景には何があるのでしょうか?

怒りをなくす秘訣とは?
 家庭でも職場でも、人間関係がうまくいかないと「寂しさ、虚しさ」を感じます。それが蓄積されると「怒り」の感情が形成されます。その怒りは破壊のエネルギーです。外に向かったら「暴力(弱いものいじめ・動物虐待・家庭内暴力)」になり、自分の体に向くと、喘息、アトピー、胃潰瘍、頭痛、自家中毒など心身症という「病気」になり、自分の心に向いたら、うつ的になり、妄想、幻聴、幻覚などの症状が現れたりします。また、過食、拒食などの「摂食障害」や、アルコールや薬物、ギャンブルなどへの「依存症状」として現れる場合もあります。
 怒りと正反対の感情表現は「笑い」です。笑いながら怒ることができないように、笑いには心を穏やかに、楽しく、うれしくする作用があります。笑顔と笑いの多い自分になること、家族を笑顔にしてあげる努力こそ、怒りの感情を家庭から追い出す秘訣なのです。