「幸せな結婚」を考える 55
第11章 結婚と純潔
③二極化する「性意識」(1)

 もう一度皆さまにぜひ読んでいただきたい、編集部イチオシ!なコンテンツをご紹介。
 第4弾は、『「幸せな結婚」を考える』を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。

ナビゲーター:長岡 高史

 現代、若者の性行動は二極化しているといわれています。

 一つは性行動の低年齢化です。

 1970年代と2000年代の若者の性行動を比べてみると、デート、キス、性交の年齢が確実に下がっています。
 これは、メディアが無責任にたれ流す過激な性情報に原因があると言わざるを得ません。メディアはあたかも男女の恋愛、そしてその先にある性的結合こそが最高の喜びであると訴えかけてきます。

 もちろん、それを否定はしませんが、そのためには成熟した人格と信頼関係、そして相手に対する責任が必要不可欠です。しかし、そのような側面にはほとんど触れずに、ただただ過激に性を描き出し、無責任にあおります。

 このような情報に若いうちにさらされれば、恋愛こそが最高の喜びを得る唯一の方法と錯覚し、行動に移してしまうことは想像に難くありません。

 さらに恋愛経験が多い人ほど結婚を先延ばしにする傾向があるともいわれています。
 「婚活」という言葉を作り出した社会学者の山田昌宏氏は、「結婚してもよいと思う相手に出会った時に結婚に踏み切れるかどうかは、今後、自分が結婚できそうかどうかの見込み値に影響される」と言います。

 つまり、恋愛経験が多い人ほど、「この先この人よりももっといい人が現れるのではないか」と考えてしまい、結婚を決意できないというのです。