家族の絆づくり 133
人間関係の前に「自分自身との関係づくり」

ナビゲーター:阿部 美樹

自分との人間関係はうまくやっていますか?
 誰かとの人間関係に悩む人が多いのですが、大切なのは相手と自分との関係の前に、自分自身との関係づくりです。自分の心と向き合うことが大切です。

 心と体は表裏一体であるように、「思いは実現する」「考えたとおりの人生を歩む」ようになっています。

 「うれしい!」という心を持つとうれしい出来事と巡り合います。
 「ムカつく!」という心を持つとムカつく出来事を呼び込むようになります。

 例えば、親から愛されない、夫は関心を持ってくれない、上司に認められないという満たされない思いを発信していると、さらに満たされない人や出来事との出会いにつながります。

 大切なことは、自分がどのような心を持つかです。心の相対基準によって結果が現れるからです。
 人間関係は、相手との関係ばかりに意識がいく傾向がありますが、まずは自分自身との関係、自分が自分をどう扱っているかを見つめ直す必要があります。

 自分を大切にすれば、目の前の人を大切にする姿勢になります。人に対して粗末に扱う人は、自分を大切にする姿勢が足りないものです。

 また自分の長所を認めると、他人の長所も意識するようになり、長所を見いだすようになります。自分の短所ばかり気にしている人は、他人の短所を見いだす人となり、必要以上に敏感に反応して相手を否定したくなるものです。

良く授ける「愛の心」、良く受ける「感謝の心」
 関係性を発展させる原理は、「授受作用」です。

 『原理講論』では次のように説明しています。

 「あらゆる存在をつくっている主体と対象とが、万有原力により、相対基準を造成して、良く授け良く受ければ、ここにおいて、その存在のためのすべての力、すなわち、生存と繁殖と作用などのための力を発生するのである」(『原理講論』50ページ)

 「良く授ける」こととは「愛」であり、「良く受ける」こととは「感謝」と表現することもできます。

 いつでも、どこでも、何に対しても「愛と感謝の心」で関係を築こうとすれば神に導かれた平和と幸福を実現することができるということです。

 人類は新型コロナウイルスという脅威にさらされていますが、これは私たちに気付きを促す天からのメッセージではないかと感じます。
 我欲に囚(とら)われたこれまでの生き方によって、地球が悲鳴を上げているのではないでしょうか。

 地球が平和になるためには、まず自分の心が平和になることです。良い意識を家庭に、地域に、社会に発信する人が増えていくことによって、地球は自ずと平和になっていくことでしょう。
 愛と感謝の思いを発信していくことで、自分自身との関係も良好になり、他者との関係や仕事など全てがスムーズに展開していきます。