家族の絆づくり 128
夫婦の祈りの深め方

ナビゲーター:阿部 美樹

一緒に祈りながら、違ったことを祈る夫婦?
 祈りの基本は神と私の一対一であり、個人の祈りを欠かすことはできません。
 しかし可能な限り夫婦が一緒になって、家族が一緒になって祈ることが望ましいことです。特に夫婦が天のみ旨の前に、共通の目的を持ちながら共に祈ることは素晴らしいことです。

 天一国は「二人が一つになる国である」というみ言(真の父母様の教え)があるように、「祈りによって神を中心に夫婦が一つ」になる精誠が大切です。

 夫婦で祈る時、祭壇に向かい黙祷するだけでは、互いに全く違ったことを祈って終わる可能性もあります。祈る時間は共有できても、内容や心情が共有されていないからです。夫婦の祈りが深まるようにする工夫が必要です。

 夫婦での祈りの深め方を三つ紹介します。

 第一は、祭壇に向かいながら横に並んで祈るのではなく、「向い合って手をつなぎながら祈る」ことです。
 心を合わせるためには、外的にも手をつないで互いのぬくもりを感じながら祈ることも有効です。

交互に感謝の祈りをささげる
 第二は、「交互に繰り返し祈る」ことです。
 一人が代表報告祈祷して、それぞれが祈祷するのではなく、夫が祈ったら妻が祈り、妻が祈ったら夫が祈るというように繰り返すのです。互いの祈りの進捗(段階)に合わせて、交互に祈りを加え合わせながら、天に報告していく方法です。

 相手の祈りを大切に聞けば、新たな発見があったり、気付きがあったりします。次に祈る時にはその刺激を受けて、同じ観点で祈りを深めることができるでしょう。

 夫婦が子女のことについて祈る場合、子女に対して感謝していることや心配していることの中身が案外違っていることを発見することもあるでしょう。
 配偶者の立場から見た子女の姿を知る機会であると同時に、夫婦のお互いの気持ちを深く知る機会でもあります。

 しかし夫婦の意見交換の場ではなく、あくまでも天に報告する場なので、相手の祈りは必ず大切に聞くことが大切です。
 このような祈りが終わってから夫婦が話し合えば、授受作用がとても本性的になるので恩恵も大きいのではないかと思います。

 第三は、祈りの内容を「感謝の祈り→報告の祈り→感謝の祈り」にすることです。

 例えば、子女のことを「テーマ」に夫婦が祈る場合、子女の問題や悩みにばかりに意識がいく傾向があります。
 問題や悩みを中心とした祈りではなく、子女の命そのものを与えてくださった神と真の父母への感謝の祈りを中心に行います。

 子女が現在どのような状況にあったとしても、それらを一切無視します。この祈りの瞬間は、神が子女の命を与えてくださったという感謝のみの祈りを交互に行います。命を与えてくださった神の愛と相対基準を結ぶためです。私たちは祈りを通して物事を成そうという前に、神の愛に感謝し、神を愛さなければなりません。

 次に「現状報告」です。
 報告の祈りは、現実に抱えている状況を報告します。外的な報告だけでなく、そこから感じる親としての思いや心配を率直に天に報告します。

 祈りの最後は、もう一度感謝の祈りに戻ります。最後の感謝の祈りは、簡単で良いと思います。
 このように感謝で始まり感謝で終える祈りです。

 これは、夫婦で神を迎え、夫婦が神の似姿になっていく時代の恩恵溢れる祈り方です。