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【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!

第2回 引きこもりの子供に対してどのように対応すべきでしょうか?

ナビゲーター:阿部美樹

(動画版『ほぼ5分でわかる人生相談Q&A』より)


 皆さん、こんにちは!

 今回の質問は、「引きこもりの子供に対してどのように対応すべきでしょうか?」という質問です。

 日本では学校に行かない登校拒否や仕事に行かず家にいるという「引きこもり」状態にある人が多くいます。

 内閣府の調査によると15歳〜39歳の青年層が54万人(平成27年調査)、さらには40歳〜64歳の中高年は61万人(平成30年調査)です。小中学生も含めると約150万人になります。

 このように驚くべき結果が出ていますが、これは少なく見積もった数で、実際はもっと多い可能性があります。

 引きこもりから社会復帰に導くために30年以上活動してきたある臨床心理士は、「引きこもりから社会復帰ができるかどうかは、親の影響が大きく、親の姿勢が大切である」と説いています。

 引きこもりになった人を社会復帰に導くまでを五つのプロセスで説明いたします。

 第1は、「希望」のステップです。
 まず親自身が「引きこもりになったのは自分たちに責任があるのかもしれない」という姿勢で子供を見詰め直して接することです。

 親が願わない引きこもりであっても、その出来事には何か「肯定的なメッセージ」が含まれているはずです。なぜなら全ての出来事には、「神様が与えてくださる意味と価値がある」からです。

 ですから、子供にだけ責任を押し付けるのではなく、引きこもり状態でもわが子を無条件に肯定して受け入れること、子供の苦しみに寄り添うことが大切です。そうすれば、子供の心に「自分はこの世界で生きていいんだ」という希望が生まれます。

 子供がどのような状態になっていたとしても、子供の「唯一無二の尊い価値」は変わりません。子供がどんな状況でも信じて受け入れる「承認の姿勢」を持つことです。

 第2は、「意志」のステップです。
 希望が生じてくると、子供は親に自分の心の内を話そうとします。初めのうちは、要求や悩み、苦しみ、嘆きの言葉かもしれません。しかし、その言葉を否定したり、善悪の審判をしたりすると話さなくなります。

 まずは全てを受け入れて耳を傾けて聴いてみましょう。すると、「こうしたい」「ああしたい」という肯定的な感情表現をするようになり、「意志」が芽生えてきます。

 第3は、「目的」のステップです。
 意志が芽生え始めると「大学に行きたい」「働きたい」という明確な目標や夢を持つようになります。生きる「目的」を持つことは行動の動機付けになります。

 第4は、「役割」のステップです。
 実際に社会に出て就労・就学してみる段階です。自分に合った役割を見いだし、やりがいを徐々に感じ始めるようになります。しかしまだ心が揺れ動いている段階なので、心が安定していません。

 ここで大事なことは、「やめてはいけない。3年は我慢しろ!」という言葉など、親が正論を押し付けないことです。あくまでも、子供の判断を肯定してあげることです。

 第5は、「アイデンティティー」のステップです。
 継続していけば、他者から認められたいという「承認欲求」や「自己実現欲求」が高まります(「マズローの欲求5段階説」より)。

 「自分は今のままでいい」という安心感、「社会からも認められている」という満足感を持つようになります。そうすれば、肯定的な「アイデンティティー」の段階に至り、引きこもりから回復していきます。

 このように、「希望・意志・目的・役割・アイデンティティー」の五つのプロセスを参考にしてください。

 皆さんからの質問をお待ちしています。
 また、お会いしましょう!

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