家族の絆づくり 126
「オンリーワン」の追求で輝く

ナビゲーター:阿部 美樹

美点凝視の姿勢
 「私には取りえがない!」「何もできない!」「欠点や課題が多い!」と悩むかたがいます。しかし、本当に何も取りえのない人などいるのでしょうか。

 学生時代は多くの学びを通して知識を広め、さまざまな体験をすることを義務化しています。しかし社会人になっても幅広い多くの能力を完璧に身に付けるべき、ということではありません。

 さまざまな知識や能力を身に付ける基礎力は必要ですが、何でもできるというオールマイティーを目指しても、それは不可能なことです。

 それよりも「美点凝視」という言葉のように、長所など良い点に目を向けることが必要です。どんな人にも「好きなこと」「興味があること」「やりたいこと」「得意なこと」はあるものです。それがたった一つでも良いのです。美点を伸ばすこと、磨くこと、まさに「人の強み」を生かすことこそ大切なことです。

 全ての花はそれぞれ独特の特徴があり、花の色も形も模様も香りも違います。そのオンリーワンの美しさは神様が下さった特徴です。その花は誰かに見せてこそ、その価値が発揮されます。

 同じように、人間も自分の美点を他者のために役立てること、活用するときにこそ、その価値が発揮されるのではないでしょうか。

美点を他者のために生かす
 個人においても、企業や組織においても、発展のために弱みや課題を克服しようとする傾向がありますが、それよりも、強みという特徴を明確にして、それを伸ばしていくことが発展する秘訣です。
 その強みを顧客のために、地域社会のために役立てようとすればするほど、顧客や地域社会から支持され、共感されるようになり、結果的に大きく発展するものです。

 「オンリーワン」を追求すれば、結果的には「ナンバーワン」になるということです。
 また、組織内でチームを組むにしても、メンバーの強みをフルに生かしてくれる関わりを築けたときほど発展することでしょう。

 個人においても、組織においても、「美点」が大切ですが、さらに「凝視」することも必要です。漠然と見るのではなく、目を凝らして見るのです。その美点をどのように発揮するのか、どのように磨くのか、どのように生かしていくのかをさまざまなか角度から創意工夫しながら考えなければなりません。
 壁にぶつかっても諦めたり、不信したりせず、考え抜いて、実践し続ける人に成功がもたらされます。