2020.07.22 17:00
家族の絆づくり 125
違いは愛のために存在する
ナビゲーター:阿部 美樹
違うことをストレスと感じる人たち
夫婦の関係、親子の関係、職場の人間関係など、関係性について悩みを持つ人は、「相手との違い」に悩んでいるのではないでしょうか。
「考え方の違い」「性格の違い」「感性の違い」「習慣の違い」「趣味の違い」「嗜好(しこう)の違い」「価値観の違い」など、多くの違いがあります。
自分の判断基準だけで捉えれば、「自分とは違う!」という違和感がストレスになって負担を感じてしまうことでしょう。
しかし違うことが本当に不幸の要因なのでしょうか? 自分を標準(普通)と考えて、全てそれに合わせようとすれば、一部の似通ったものを除けば、ほとんどが葛藤と分裂の要因になりかねません。それぞれが違った性質を持っており、全ての人が違うからです。
両手を比較して見ると、右手と左手は向きが違います。
手のひらが両手共に右を向いていたら物を持つ時に不便です。両手が反対方向で内側に向いているからこそ物を持ったり、拍手したりする時に便利なのです。
5本の指の長さもみな違います。違うからこそ、指の関わり方によっては、細かい作業もできるし、複雑な動きにも対応できるものです。手を握る時も安定感があります。
電気はプラスとマイナスが一つになるとエネルギーが発生します。プラスとプラスが合わさっても何も生まれません。
違いは補完のために必要
このように、神の創造の観点から見れば、「違うこと」が悪いのではなく、「違うこと」が必要なのではないでしょうか。違うものが互いに「補い」「協力し」「連携する」ことで、単独ではできないことまで可能になります。
人間関係でも同じことが言えます。
夫婦を見ても、男女の違いがあります。陽性(プラス)と陰性(マイナス)では全く違いますが、違うからこそ、協力することによって不可能なことが可能になり得るのです。
その中でも最も神聖な事が「子供の誕生」です。子供は夫婦の愛の結晶とも言えますから、夫婦における男女の違いは「愛のために存在する」と言えるのです。
夫が感情的に激しい性格で、妻が温厚な性格であれば、どちらか一方を基準にすれば葛藤の要因となりますが、二人をセットと考えれば、「補完する関係」であり、「調和する関係」となります。
結婚した夫婦が同居生活をすると、今まで気付かなかった違いを発見することがあります。それは意外なことではなく、当然のことです。
違いは不幸の要因ではなく、幸福の要因です。互いが自分と同じものしかなければ、協力する意味がありません。違うからこそ、新しい可能性が広がります。
ですから、「違いは愛のために存在する」ということです。
互いの違いに感謝し、尊重し合い、受け入れていきましょう。受け入れることこそ、愛が深まる始まりとなることでしょう。