2020.04.08 17:00
家族の絆づくり 111
「思い込み」の転換は質問によって可能
ナビゲーター:阿部 美樹
思い込みに自然に気付く方法
「私はいつも失敗する」「一生懸命やらないと目標は達成できない」など、人それぞれの捉え方や見方があります。
それが本人にとっては真実かもしれませんが、客観的に見たり、神の目から見たりすれば、全く違う場合があります。
捉え方は、その人の経験や価値観による「思い込み」の場合が多くあります。それに対して、「それは違う!」と打ち負かそうとしても、簡単には受け入れません。
そんな時に有効なのが「質問」です。相手が質問に答えていくことで、相手自身が思い込みに自然に気付くことができるように、相手に寄り添って質問するのです。
「あいつはちょっと変なんだ」という場合、「誰が変だと言ったのか?」「何が変なのか?」「何と比べて変なのか?」と質問していくと、自分の意見にすぎないことに気付くこともあります。
「彼女は全く分かっていない」という場合、「具体的にどのように分かっていないのか?」「詳しくいえば?」「どのように?」と、省略されている情報を明確化することで、相手は違った見つめ方をするようになり、考えが変化し関係性が良くなることがあります。
「やるべき」「やれない」という思い込み
また、「一生懸命やらないと目標は達成できない」という場合には、「何を基準にそのように思うのか?」「誰がそう言ったのか?」「一生懸命やらなくても目標を達成したことはないのか?」と、情報を明確にしていくと、違った捉え方ができて、心にゆとりが生じることもあります。
「私はいつも朝寝坊する」という場合には、「一度も朝寝坊しなかったことはないのか?」「月に何回ぐらい朝寝坊しない日があるのか?」「朝寝坊しない時はどんな時なのか?」と、意識を転換させることで、断定している表現が変わったり、肯定的に見つめるきっかけを与えたりします。
このような質問をする時に気を付けなければならないのは、相手を変えようとする心や相手を不信する心を持たないことです。あくまでも肯定的に寄り添いながら質問することです。
質問に対して、こちらの期待とは違う返答をすることもあります。しかし、どんな返答に対しても「そうですね!」と承認して受け止めましょう。
時には、「私は、あなただったらできると思いますが、いかがですか?」と自分を主語にして肯定的な承認と提案をすることも有効です。