シリーズ・「宗教」を読み解く 105
ワールドサミット2020・IAPD総会②

日本の代表者と宗教者がメッセージを語る

ナビゲーター:石丸 志信

 2月5日の午後は9の分科会が開かれ、IAPD(平和と開発のための宗教者協議会)総会はこの日も継続された。

▲分科会

 前半は「恒久平和の実現に向けて」をテーマに9人のスピーカーが発表。川上与志夫IAPD-Japan会長が日本の代表として登壇した。

 川上会長は、「平和と開発」の意味を解きながら、「世界中の子供たちが衣食住足りて、教育と医療の恩恵にもあずかれてこその平和。開発は、指導者が神の前に謙虚となって人々のために働くことでこそ、正しくなされる。ここに集う宗教者が手を携えて、互いの違いを乗り越えて、震える人々に一枚の毛布でも掛けるところから実践していく時だ」と語り、会場の空気を温かいものに変えた。

▲川上与志夫IAPD-Japan会長

 後半はより具体的な行動計画について話し合われた。

 11人のスピーカーの中で東和空住職が広島での実践をもとに平和活動の提言をした。

 東和空住職は「被爆者への追悼を積み重ねるうちに、宗教者が協力し、世界平和への意識が高まっていった。その一方、小さなコミュニティーで一人一人の心の平安を養う活動も続けている。これから、世界のあらゆる宗派の人が集うことのできる『世界平和の祈りの会堂』を建設していく計画だ。世界の人々がそこで祈り、喜びを実感してほしい」と語った。

▲スピーチする東和空住職