2018.02.14 12:00
家族の絆づくり 2
優しい親の愛、厳しい親の愛
ナビゲーター:阿部 美樹
子供たちが悲鳴を上げている
「26年連続の増加」。これは全国児童相談所が対応した虐待相談件数です。2006年は37,323件だったのが、年々増加し2016年には122,578件になっています。親の子供に対する言葉や態度による「心理的虐待」が全体の51.5%を占め、その他に「身体的虐待」「育児放棄」「性的虐待」などが続きます。
近年、子供の面前で親が配偶者に暴力を振るう「面前DV」に関する相談、通告が目立って増えています。さらには、警察が保護した保護児童数は3,521人で、4年連続の増加です。親が子供を厳しく叱ることはありますが、愛と虐待は何が違うのでしょうか?
子供に対する親の動機
昔は、学校の先生が厳しく叱り体罰を行うことがありました。家庭でも親が厳しく子供を叱ることがありました。しかし、最近は見直され、本質的な関係性が求められています。子供に対して「しつけ」をすることや「誤りを正す」ことは必要ですが、その時の親の動機が問題です。子供に対する愛情なのか、それとも怒りや裁き、要求なのかで子供たちの受け取り方は違います。親自身の親子関係、夫婦関係に愛情に満ちた喜びがない場合は、無意識のうちに子供に自己中心的な不満の思いをぶつけることが多くあります。