青少年事情と教育を考える 99
将来の結婚に育った家庭の影響

ナビゲーター:中田 孝誠

 先日の本欄でも述べましたが、若者の未婚化が進む要因として、自身の家族、あるいは両親の夫婦関係が良好でなかったことが影響しているという指摘が専門家からあがっています。将来結婚したいと思っていても、うまくいっていない両親の姿を見ると希望が持てないというわけです。

 それを示唆する調査が、日本財団から公表されています。同財団が行っている「18歳意識調査」で、1719歳の未婚男女800人を対象に、201810月に実施されました。

 それによると、「将来、結婚したい」と思っている10代は74.9%、4人に3人が結婚願望を持っていました。
 その理由として「幸せな家庭をつくりたいから」「結婚して子供をもって家族で暮らしたい」「子供がほしいから」「結婚したほうが人生を楽しめると思う」「絶対幸せだと思う」などがあがっています。

 逆に「結婚したくない」という10代は25.1%です。
 その理由は、「一人でいた方が楽」「人と生活することをイメージできない」「生まれたもとが違う人と共に暮らして分かち合うなんて疲れるから」「縛られたくない」などでした。

 また、「将来、子供がほしい」は78.6%で、そのうちの7割近くが「2人」を望んでいました。

 そして、「自分が育った家庭と同じような家庭を築きたい」と答えたのは50.6%と半数です。逆に「築きたくない」は49.4%でした。

 「築きたい」という10代のうち、「将来、結婚したい」は88.9%、「子供がほしい」は92.1%です。それに対して「築きたくない」では、おのおの60.5%、64.8%にとどまっています。

 もちろん、「同じような家庭を築きたくない」と思う原因として、家庭の貧困などが関係していることも考えられます。

 ただ、上記の「結婚したほうが人生を楽しめる」「絶対幸せだと思う」という回答、「人と生活することをイメージできない」「疲れる」といった回答を見ると、今の大人世代が夫婦関係・家庭環境を改めて振り返り、子供たちへのモデルとなるよう改善していく必要があると考えさせられます。