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スマホで立ち読み Vol.4
『ダーウィニズムを超えて~科学の統一をめざして』

 「スマホで立ち読み」コーナーで取り上げる第4弾は、統一思想研究院が贈る『ダーウィニズムを超えて~科学の統一をめざして』です。
 ダーウィンの『種の起源』発表から150年。「進化論」は生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきました。本書は進化論を批判するとともに、「新創造論」としての新たな見地を提言しています。

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大谷 明史・著

(光言社刊『ダーウィニズムを超えて~科学の統一をめざして』より)

第一章 進化論を超えて
(二)生物はデザインされたものか

(4)自然選択の性格

 進化論者は自然選択をあたかも創造者のようにとらえている。ダーウィンは次のように述べた。「自然選択は、日ごとにまた毎時間ごとに、世界中で、どんな軽微なものであろうとあらゆる変異を、詳しく調べる。悪いものは抜き去り、すべての良いものを保存し集積する。……[生物を]改良する仕事を、無言で目立たずにつづける」。ドブジャンスキー(Dobzhansky)は自然選択を作曲家に、シンプソン(Simpson)は詩人に、メイヤー(Mayr)は彫刻家に、ハクスリー(Julian Huxley)はシェークスピアにたとえた。そしてグールド(Gould)は「ダーウィニズムの真髄は、自然選択が適者を創造するという主張にある」と述べた。進化論者たちによって、自然選択は造物主の位置にまで引き上げられたのである。

 ところで自然選択とは本来、多くの変異のうちでどれが生存に適しているかを判定するだけの作用であった。したがって自然選択は改良されたデザインを選択することはできる。しかし、それはデザインを改良し、作るということとは全く別のことである。ところが進化論者は単に選択するだけの作用である自然選択に創造する機能まで与えているのである。それは大きな飛躍またはすり替えなのである。

 遺伝的変異と自然選択による進化論を批判している医学者の牧野尚彦も、「自然選択とは……創造にはいっさい関わらない、不適格者を排除するだけの消極的な機構にすぎないのではないか」と言っている。ミルトンも「自然選択は死か繁栄をもたらすだけで、個々に必要な微調整をもたらすことはできない。それでも、これほど粗雑なメカニズムが遺伝子突然変異のプログラムを建設的に制御していることを信じろというのだろうか」と言う。そしてサイエンス・ライターの金子隆一・中野美鹿が言うように、「今こそわれわれは、自然選択と呼ばれるものの正体を徹底的に解明すべき時を迎えた」のである。

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 次回は、「(5)被造物の設計図としてのロゴス」(最終回)をお届けします。


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