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スマホで立ち読み Vol.4
『ダーウィニズムを超えて~科学の統一をめざして』

 「スマホで立ち読み」コーナーで取り上げる第4弾は、統一思想研究院が贈る『ダーウィニズムを超えて~科学の統一をめざして』です。
 ダーウィンの『種の起源』発表から150年。「進化論」は生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきました。本書は進化論を批判するとともに、「新創造論」としての新たな見地を提言しています。

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大谷 明史・著

(光言社刊『ダーウィニズムを超えて~科学の統一をめざして』より)

第一章 進化論を超えて
(二)生物はデザインされたものか

(3)クジャクの美しい羽

 ダーウィンにとってもう一つの困難な問題は、クジャクの雌はそうでないのにクジャクの雄は、どうして華麗な、しかもどう見ても生きていくために必要とは思えない、大きくて、重くて、身動きがとりにくい尾羽を持っているかということであった。そのためダーウィンは「クジャクの羽を見るたびに気分が悪くなる」とこぼしていたという。そして彼はこの問題に答えようとして「性選択」の理論をもちだした。それが雌雄の生殖に際しての雄間競争と雌の選(え)り好みである。しかしながら、雄が雌を求めて雄同士で競い合い、雌は雄を選ぶというようなことから、いかにして色彩豊かな目玉模様のドレスのような雄の羽ができるというのであろうか。雌としては、美しい雄の羽に引きつけられるとしても、雌はただ鑑賞者にすぎず、芸術家ではないのである。また雄同士が争えば、雄の羽は抜けたり、模様はぼやけ、色はあせていくであろう。ダーウィンのいう「性選択」の中には何ら創造的な作用は見られない。生物の雌雄の問題を研究している長谷川真理子氏も、雌による選り好みがなぜ進化するのかということは、とても困難な問題であると次のように述べている。

 しかし、現代の進化生物学で考えて、このような選り好み[尾の長さ、目玉模様の数、持ってくる餌の大きさ、あずまやの飾りつけなど]がなぜ進化するのかは、とても一筋縄ではいかない、難しいことなのです。……配偶者の選り好みがどのようなシナリオで進化してきたのか、本当のところはまだ解決がついていません(長谷川真理子『オスとメス=性の不思議』講談社、一九九三年、一六四―一七三頁)。

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 次回は、「(4)自然選択の性格」をお届けします。


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