家族の絆づくり 97
クリスマスは何をする日?

ナビゲーター:阿部 美樹

神を愛する精誠

 クリスマスの時期になると「イエス・キリスト」の生涯を考えさせられます。
 33歳という短い生涯にもかかわらず、長い歴史の中でこれだけ多くの人の心を動かし影響を与えた人はいなかったでしょう。

 聖書に示されるイエス様のみ言の中で最も有名な聖句は、次のみ言でしょう。

 「心をつくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ」。これが一番大切な、第一のいましめである。第二もこれと同様である、「自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ」。(マタイによる福音書 第22章37~39節)

 幸せな人生を歩むために、最も大切なことは「神を愛すること」です。天に対する心情の絆を結ぶ人は、常に天運が共にあります。

 心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くすということは、「全力で精誠を尽くす」ということです。「至誠感天」というように、誠を尽くして天の心を感動させる者になっていきましょう。

 天との縦的な軸をしっかり立てている人は、試練が来ても、苦労があっても、誘惑があっても道を外すことはありません。

許し愛する人生の最後

 「自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ」というみ言は、隣り人をいかに愛するかということを強調していますが、違った教訓も込められています。

 「自分を信じ愛することができない人は、隣り人を信じ愛することができない」ということです。神様の息子・娘である自分自身を信じて、尊重し、大切に思う心も大切です。

 また、「隣り人を愛せよ」というみ言を実践しようとすれば、好きな人、気が合う人は自然に愛することができるでしょう。しかし、知らない人、縁のない人に対してはどうでしょうか? 嫌いな人、苦手な人はどうでしょうか? 危害を加える人、怨讐はどうでしょうか? だんだん困難になっていくことでしょう。
 しかし、イエス様は自分を十字架に付けて殺そうとする人に対しても、攻撃したり、恨んだり、呪ったのではなく、怨讐を超えた愛で愛されたのです。

 そのとき、イエスは言われた、「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです」。(ルカによる福音書 第23章34節)

 敵に対しても許して受け入れ、愛されました。
 真の愛は、相手が善であろうと悪であろうと受け入れて愛することです。

 クリスマスとは、イエス様のように許し愛する者となることを誓う日ではないでしょうか。